NYPDの予算削減し教育や福祉に 市長、抗議運動を受け

 ニューヨーク市のデブラシオ市長は6月29日、警官による暴力行為や人種差別に対する市民の抗議運動を受け、市警察(NYPD)の2021会計年度予算を削減することを発表した。amニューヨークが同日、報じた。
 新型コロナウイルスのパンデミックに続く景気後退により生じた90億ドル(約9700億円)の赤字を埋めるために、市では、当初953億ドル(約10兆円)と提案されていた2021会計年度予算案を870億ドル(約9兆円)に引き下げた。5月25日に、黒人のジョージ・フロイドさんが白人の警官に殺害されたことをきっかけとして、市内では活発な抗議運動が続いていた。
 これを受け6月初旬、当初はNYPDの予算の削減に反対していた市長が、NYPDに充てる予定だった予算を削減し、その分の予算約10億ドル(約1070億円)を青少年奉仕支援や福祉サービスに回すことを約束した。
 さらに市では先週、数百人の抗議者が集まり、市長に対して、NYPDの予算を10億ドル削減することの他にも、学校からNYPDの警備員を排除し、NYPDへの予算をソーシャルサービス部門へ回さなければ、6月30日の市の予算期限まで、マンハッタン区の市庁舎の外で抗議キャンプを続けると主張して圧力をかけていた。
 一方、デブラシオ政権は先週末、NYPDの警備員を教育局に転属、7月の警察学校の訓練生の数を1100人削減、ホームレス支援活動の一部を中止するなどして、さらに予算を削減する方法を提案、市議会で検討している。

6月初旬、ブルックリン区で行われた抗議活動の様子(Photo: Yurika Fukagawa / 本紙)

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