銃乱射事件に備えた校舎建築に
生徒保護と警察への配慮取り入れ

マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で、19歳のニコラス・クルーズが生徒と職員に発砲し、
17人が死亡、17人が負傷(Photo:BCSO/https://commons.wikimedia.org/wiki/File:BCSO_deputy_Scot_
Peterson_outside_as_gunman_murders_students_inside_Marjory_Stoneman_Douglas_High_School.jpg)
学校内で銃乱射事件が絶えない米国で、校舎をより安全にする動きが広がっている。生徒の保護だけでなく、警察など緊急対応要員に対する配慮も取り入れている。4日、ウォールストリート・ジャーナルが報じた。
「学校が誰でも受け入れるような開かれた建物であることが問題。不審者の侵入を許すことになる」と指摘するのはテキサス州在住の建築家、ジェリー・ラマーズ氏だ。そこで、様々な工夫が生まれているという。例えば、学校をフェンスで囲み、出入りを制限する。出入り口に警備員を配置。授業中は施錠する。校庭の植え込みを小さくして隠れ場所をなくす。低木を使って監視しやすくする。
さらに、学校への出入りを職員がモニターできるようにする。正門だけでなく中扉とフロントオフィスの3カ所に開閉ブザーを取り付けて安全性を高める。窓ガラスに強化フィルムを貼り、外部から容易に割ることができなくする。廊下側の壁をコンクリートのブロックで補強し、弾丸の貫通を防ぐ。
ミシガン州の建築家、マット・スラグル氏は新築する高校の見取り図を検討した警察から「袖壁設置の要請があった」と説明する。袖壁は廊下に張り出した幅の狭い壁。緊急対応要員の安全確保に役立つ。
そして、廊下にはロックダウン(閉鎖)ボタンを設け、押せばz教室の扉が自動的に閉鎖するとともに警察に連絡がいくようにする。教室の扉の窓は小さくして、中に隠れている生徒や教師が見えないようにする。窓のブラインドを閉め、教室内が見えないようにする。安全に退避できる防護室を設けるといった具合だ。
ただし、ネバダ州にある建築事務所のシニア・プランナー、ジュディー・ホスケンス氏はバランスが必要だと主張。「監獄になってはいけない。あくまでも学校は学ぶために誰でも受け入れるような建物であるべきではないだろうか」と話している。

発生、同校の元生徒である18歳のサルバドール・ラモスが生徒19人と教師2人を射殺し、
17人が負傷(photo:Don Holloway/https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Robb_Elementary_
School_Uvalde_Texas_2015.jpg)
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