ニューヨーク市内で今年も西ナイル熱の感染が懸念されている。すでにウイルスを保有する蚊が市内各所で見つかっている。22日、シークレットNYCが伝えた。

西ナイル熱は蚊が媒介するウイルス性感染症。アフリカや中近東に分布していたが、1999年、クイーンズで北米初の感染が確認されて注目を集めた。鳥がウイルスを増幅し、鳥からウイルスを得た蚊から人や動物が感染する。人から人への感染も、臓器移植、輸血、母乳を通じてで稀に起こる。軽い接触で起こることはない。
症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、疲労、吐き気など。蚊に刺されてから3から15日で発症する。約80%は無症状。重症化すると、脊髄炎や脳炎を起こし、死に至る場合もある。高齢者や免疫力がない人は高リスクだ。
市内では5〜10月が感染しやすい時期。蚊に刺されても西ナイル熱にかかる可能性は1%を下回る。特効薬はなく、対処療法が行われる。それだけに、予防が大切だ。環境保護庁(EPA)登録済みの虫除け剤を使用する、長袖のシャツや長ズボンを着用する、夜明けや日の暮れといった蚊の活動が活発な時間帯に外出を控える、網戸や蚊帳を利用するなどを心がけたい。
ウイルスを保有する蚊が発見されたのはマンハッタンではワシントンハイツ、ハーレム、リトルイタリーなど。ブルックリンではプロスペクトハイツ、イーストウィリアムズバーグ、ウィンザーテラス。クイーンズではベイサイド、フラッシング、ダグラストン、リトルネック。ブロンクスではノーウッドなどで、スタテン島はほぼ全域だ。
市保健局はホームページで発見されなくてもウイルスを保有する蚊が存在する可能性があると警告している。同局では蚊の繁殖状況をモニターしており、必要に応じて殺虫剤を散布する。24日にはスタテン島の一部で実施する予定だ。
専門家のコメント

ひばりファミリーメディカル
院長・家庭医療専門医 桑間千佳 医師
感染対策として、蚊に刺されないことが大切です。通気性のよい長袖長ズボンを着用し、明るい色の服を選びましょう。虫除けはDEETが10-30%含まれるものが効果的です。日焼け止めを塗った後、衣服も含めて全身に使用します。顔や首には手のひらに塗ってから伸ばします。日中何度も使う必要はありません。手のひらについた虫除けは手洗いで落としましょう。
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