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こどものくに幼稚園 Kodomono Kuni

こどものくに幼稚園

Kodomono Kuni

園長 早津 邑子

園長 早津 邑子

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

小さな女の子との出会いから始まったこどものくに幼稚園、言葉が分からない集団生活を楽しめず、一日が終わるのをじっと我慢して待っている幼児期。「これでいいのだろうか?海外でも日本語の集団があればお友だちと一緒に遊びを楽しめるのに」との思いに賛同してくれる仲間が集まり、子どもたちが思いっきり笑って過ごせるように「こどものくに」と名付けた小さな集団ができました。 アパートでも庭で遊べる環境のパークウェイビレッジが借用できるかマンハッタンのオフィスに交渉に行くと、それは素晴らしい計画だと快く応じてくださいました。ニューヨーク市庁舎では、プレイグループとして始められるよう指導も受けられました。そして1975年4月に開園した幼稚園は、あっという間にたくさんの親子が集まってきたのです。そして、子どもたちだけでなくお母さま方も「母の国」と名付け、アメリカ生活を楽しんでいらっしゃいました。こどものくに幼稚園が パークウェイビレッジ、フラッシング、スカースデール、ヨンカース、ホワイトプレーンズと移転しながらも継続できたのは、ひとえに保護者の支えや援助があったからこそです。

自分で考え行動できる力を育てる保育は、一人一人の個性を重んじ、自分が大切な存在であることを自覚し自信を持つことを狙いとしています。自分の思いを言葉で表現できるよう多くの言葉遊びや表現遊びを取り入れ、子どものやってみたい気持ちを引き出し、考える力やコミュニケーション力を育てる工夫をしています。子どもたちが園全体での行事や異年齢の縦割り保育、クラス内でのグループ保育、多文化教育など多様な日々を自然に受け入れ楽しんでいるのは、クラス担任とアシスタント、全職員が協力してサポートしているからです。

幼稚園には専属のESL教師が常駐していて、各年齢に応じたプログラムを考え、子どもたちが楽しんで学べる環境を創っています。最初は先生が何を言っているのか分からなくても、一生懸命先生の口を見て必死にまねています。日本語環境の安心できる部屋だから不安もなく、英語もすんなり入るのでしょう。

現地校の選択を考える上で大切なことは、自分で考え、判断し、伝えようとする力があるか、お子さんの性格や心の成長を見極めて適切な援助をすることです。

日本語環境のない地域では、家庭の援助がより多く望まれます。行事はもちろんのこと、いろいろなボランティアに参加すると、学校のことやお友達のことなど多くの情報が耳に入ってきます。ボランティアは日本文化を紹介できる良い機会でもあり、そのうち保護者同士も家に招いたり招かれたりと親密な関係を築いていけます。異文化適応や異言語の学びをより早くするための保護者の努力は欠かせません。

子どもたちが世界で羽ばたいているのは、保護者の惜しみない援助とともに幼少期に自分の言葉でしっかりコミュニケーションができ、人との信頼関係を築ける方法を身に付けたからでしょう。 

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