ニューヨーク市はブロンクスのクレアモントに9月、全米初となるヒップホップ専門の公立高校、ブロンクス・スクール・オブ・ヒップホップ(Bronx School of Hip-Hop)」を開校する。市が過密解消と学習意欲向上を目的に今秋新設する公立5校のうちの1校で、市を挙げての取り組みとして注目を集めている。

全米初のヒップホップ専門高校
1973年、ブロンクスのセジウィックアベニューで行われたパーティーで、DJクール・ハーク(DJ Kool Herc)がターンテーブルを回し、ヒップホップの世界的ムーブメントに火を付けた。それから半世紀。ヒップホップの聖地に、ヒップホップを正式な学問として学ぶ高校が誕生する。
ユニークな授業形式
校長に就任予定のジェイソン・レイエス(Jason Reyes)さんと市教育局(DOE)が打ち出したカリキュラムは、従来の授業形式を大きく刷新。例えば国語の授業では、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)のアルバム「To Pimp a Butterfly」の歌詞を「ライ麦畑でつかまえて」などの名作と比較しながら表現技法を学ぶ。数学ではビートのパターン認識を使った代数方程式の授業が行われる予定だ。
学びはヒップホップの歴史にとどまらない。オーディオエンジニアリング、デジタルメディア、グラフィックデザイン、金融リテラシーなど、実践的なスキルと業界認定資格の取得を目指す授業もある。さらにレーマンカレッジやブロンクス・コミュニティー・カレッジとの連携により、在学中に大学単位を取得することも可能だ。
アドバイザーには業界の重鎮が
ヒップホップ界の重鎮たちもアドバイザーとして参加。「The Message」で社会派ラップの先駆けとなったメル・メル(Melle Mel)、ヒップホップ史上初の商業的ヒット曲の歌詞を手がけたグランドマスター・カズ(Grandmaster Caz)、後世のラッパーたちに大きな影響を与えたスペシャル・エド(Special Ed)ら、ヒップホップ史に名を刻むレジェンドたちがプログラムを支える体制だ。
初年度は9年生(日本の高校1年生に相当)約115〜125人を受け入れ、最終的には9〜12年生の完全な高校へと発展させる予定。
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