ニューヨークでの生活では驚きが「スタンダート」と化している。筆者は27歳、この夏憧れのニューヨークにやって来た新参者だ。日本(神戸)で人生の大半を過ごしたせいか、いちいちビックリするようなことが毎日のように起こるので、文化の違いやカオスな出来事を中心にポップにつづっていくことにした。
〜 いろんなモノ、道に落ちすぎ 〜
ニューヨークの道には、とにかくいろんなモノが落ちている。靴(しかも片方)、植木鉢、自転車のタイヤ、部屋のランプ、本棚、マットレス・・・この間ブルックリンのブッシュウィックを歩いていたら、あまりにも椅子が沢山落ちているので、1時間かけて数えてみると、なんと11個見つかった。

そして、これらはゴミというより「誰か使ってね」という雰囲気が漂っており、たまに「Free ◯◯◯」とメッセージが付いていたり、綺麗にパッケージングされていたりもする。「これって拾っていいやつ?」とニューヨーカーの友人に聞いたことがあった。すると彼は「よく拾ってるよ」とのこと。
「ファブリック(生地)があるものは避けているけど、本棚やスピーカー、昔は猫も拾ったよ。本棚は綺麗に洗って、ペンキを塗った。猫は今11歳で大切な家族だよ」
ニューヨークは物価は高いけれど、こうして見知らぬところで助け合いが行われている、不思議な温かさに包まれた街だ。道に落ちているモノとは関係ないが、この間ランドリーで25セントが足りなくて困っていたら、横にいるおじさんが快く差し出してくれた。「この街は孤独にならない、なぜならみんな1人だから」長年ニューヨークに住んでいる人はこう言うが、なんだか分かるような気がする。
著者のプロフィール

ナガタミユ(Miyu Nagata)エディター/ダンサー
兵庫県出身の27歳。幼少期に観た「コーラスライン」をきっかけに舞台芸術の世界にどっぷりハマって以来、20年以上踊り続けている。また、日本の出版社で編集者として活躍したのち「書いて、踊る編集者」としてさらなる飛躍を遂げるため、2024年8月から拠点をニューヨークに移す。
過去のエピソード
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