2025.05.14 NEWS DAILY CONTENTS 『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』 COLUMN

連載『夢みたニューヨーク、住んでみたら?』Vol.19 最近のアメリカのチップ事情に疑問

ニューヨークでの生活では驚きが「スタンダート」と化している。筆者は28歳、この夏憧れのニューヨークにやって来た新参者だ。日本(神戸)で人生の大半を過ごしたせいか、いちいちビックリするようなことが毎日のように起こるので、文化の違いやカオスな出来事を中心にポップにつづっていくことにした。

〜 ところでチップはどれくらい払ってる? 〜

「アメリカ旅行に行く時は、チップを払いましょう。お会計の約20%くらいを目安にするといいでしょう」どのガイドブックを見ても、こう書いてある。筆者はニューヨークに住むまでも、何度か旅行でアメリカを訪れていたので、この教えをきっちりと守りながら「えっとお会計が〜円だから・・・」と毎回計算していた。

でも当時アメリカに来ていた時は、今ほど電子決済やタッチパネルでの精算がメジャーではなかったので、カフェなどではレジ横に設置された瓶にチップを入れていた。でも最近ではそんな瓶も現金オンリーのデリ以外では見かけなくなってきた。

ここで一つ、確認したいことがある。カフェなどで会計する際、タッチパネルがチップを推奨してくるのにまだ慣れないというか、モヤモヤを感じるのは筆者だけだろうか? 18%〜25%くらいから3つの価格が提示され、タッチでこちらが選ぶシステムで、お店によってはこの時点ですでに1番高いチップが選択されている、謎の誘導システムが導入されているところもある。はて?

このタッチパネルシステムが主流になってから、「チップって何で払うんだっけ?」と改めて疑問に思うが、「払うものだから」と言い聞かせて “タッチ” している。本来なら、レジのお姉さんからの素敵な笑顔やサービス、お気に入りの店をサポートする気持ちに対して、自発的に払いたいのになぁ〜と思ったり。

今これを書いているのは、チップを払いたくないからではなく、あのタッチパネルによってチップという思いやりの文化を、薄く簡素化してしまっているように感じるからだ。最終的には “タッチ” して支払ったチップでも、瓶に入れたり手渡しするチップも行き先は同じだけれど・・・便利になりすぎず「ちょっと不便」くらいの方が、温かみがあって良いのかな、なんて。

筆者のプロフィール

ナガタミユ(Miyu Nagata)エディター/ダンサー

兵庫県出身の27歳。幼少期に観た「コーラスライン」をきっかけに舞台芸術の世界にどっぷりハマって以来、20年以上踊り続けている。また、日本の出版社で編集者として活躍したのち「書いて、踊る編集者」としてさらなる飛躍を遂げるため、2024年8月から拠点をニューヨークに移す。

過去のエピソード

Vol.1 ニューヨーカーは、なぜブックカバーを使わない

Vol.2 居酒屋デートの概念がない街

Vol.3 遅延だらけのサブウェイを乗りこなすコツ

Vol.4 街にあふれるレディファーストな男性たち

Vol.5 アメリカには存在しない便利アイテム

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