2025年7月15日 NEWS DAILY CONTENTS

昼なのに “夜” を体験? NYのブロンクス動物園「ワールド・オブ・ダークネス」が再オープン

ブロンクス動物園にある人気の展示「World of Darkness(闇の世界)」は、1969年に誕生し、2009年に惜しまれつつも閉鎖されたが、今年ついに再始動。夏休みのお出かけスポットとして注目を集めている。

Southern Lesser Galago(公式サイトより)

昼間なのに真っ暗?逆転した時間の世界へ

中に入ると、そこはまるで夜の森。展示室は昼夜逆転のライティングシステムを採用しており、日中でも中は“夜”。人間の目には真っ暗に感じますが、実はここで暮らす動物たちにとっては活動時間だ。

25種以上の“闇の住人”たち

この「闇の世界」に住む動物たちは、ここにいる動物たちは、暗闇で生き延びるための“スーパー感覚(Super Senses)”を備えている。

アイアイ(Aye-Aye)
マダガスカル原産の霊長類。鋭い聴覚と夜間視力を持ち、木をトントンと叩いて音の反響で中に潜む虫を探知する。虫がいそうな木の皮を歯でかじり、長くしなやかな中指を差し込んで、餌を引きずり出す。

ブラッドパイソン(Blood Python)
赤外線で獲物の体温を感知する能力を持ち、まるでナイトビジョンカメラのように周囲を認識する。

コウモリ
エジプトフルーツコウモリ、セバショートテイルコウモリ、吸血コウモリなどが揃う。コウモリは花粉の媒介者や種子の拡散者として、また害虫を食べる存在として、生態系に欠かせない。中には、仲間に血を“吐き戻して”分け与えるという協力行動を行う種もいる。

スローロリス(Slow Loris)
ゆっくりとした動きで知られるこのサルは、実は毒を持つ珍しい哺乳類。自衛手段としてその毒を利用する。

タランチュラ(Tarantula)
オスは足に“味覚の毛”を持ち、メスが巣に残したフェロモンを読み取ることができる。

サソリ(Scorpion)
紫外線に当たると体が光る。なぜ光るのかは未解明で、現在も研究が続いている。

初めて訪れた人は、最初こそ暗闇に戸惑うかもしれないが目が慣れてくると、ふとした瞬間に動物のシルエットが浮かび上がるような、まるで“影の中の探検”のような体験ができる。

夜行性動物の動きはゆっくりで慎重。館長のジム・ブレヘニー氏も「焦らず、立ち止まってじっくり観察して」とコメント。心を静かにして観察することで、普段は見られない世界が見えてくる。

都会の喧騒を忘れさせてくれる静かな時間

ブロンクス動物園の「World of Darkness」は、単なる展示ではなく、“闇の中に潜む命”を五感で体験する場所だ。静けさの中にひそむ生命の息吹。急がず、焦らず、目を凝らして、耳を澄ませて、観察することが求められる。ニューヨークの喧騒を抜け出し、夜の世界に足を踏み入れてみよう。

World of Darkness Exterior(公式サイトより)

ブロンクス動物園

住所
2300 Southern Blvd., Bronx, NY

開園時間
夏季(4月5日〜11月1日)
・月〜金 10:00-17:00(動物展示は16:30で終了)
・土日祝 10:00-17:30(動物展示は17:00で終了)

冬季(11月2日〜翌年4月1日)
・毎日 10:00-16:30(動物展示は16:00で終了)
※ 最終入場は閉園30分前まで(混雑状況により早まる可能性あり)

入場料(変動性)
38.20ドル〜(13歳以上)、$28.20ドル〜(3〜12歳)、$36.20〜(65歳以上)、 2歳以下は無料
※ World of Darkness の入場は上記チケットにすべて含まれる

公式サイト
https://bronxzoo.com
公式Instagram
@bronxzoo

                       
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