トランプ米大統領の「アメリカ・ファースト」政策が、ニューヨーク市の観光業界に「壊滅的」打撃を与えている。反米感情の高まりや、厳格な入国審査に関する報道やSNS投稿から、外国人観光客の足が遠のいているからだ。ゴッサミストが4日、伝えた。

(7月28日、マンハッタン / Photo: Keiko Tsuyama)
クイーンズを拠点とするツアーガイド会社スプレッド・ラブ・ツアーズ(Spread Love Tours)が良い例。例年ならカナダの高校生グループのツアーで3万5000ドルの売り上げがある。今年は5000ドルに激減、来年はゼロを覚悟しているという。市観光局は、今年の海外観光客数の予想を1410万人から1210万人に引き下げた。インバウンド消費は40億ドルも減るとしている。
特にカナダはトランプ氏の「51番目の州にする」発言で反米感情が爆発。外国人観光客が入国拒否や勾留を受けたとの報道やSNS投稿があり、複数の国がアメリカへの渡航に警告を発している。12カ国からの入国禁止も敵対的とのイメージを与えている。
市観光局の予想では、カナダからの旅行客は昨年より20%減。フランスは8%、ドイツは10%、メキシコは8.5%減ると予測している。市観光局は「With Love + Liberty, New York City」キャンペーンを実施。「外国人観光客、大歓迎」で巻き返しに必死だ。ニューヨーク市はアメリカでナンバーワンの観光地。観光客の数が市の景気に大きく影響する。
世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると、世界184カ国中、今年観光客が減少するのはアメリカだけ。Spread Love Toursを運営するマイク・レビーさんはこの春、カナダからの学生ツアー客に対しトランプ氏を批判。「アメリカ国民を代表して謝罪する」と頭を下げた。すると観光バス中に歓声と拍手が沸き起こったという。レビーさんは「全くもってひどい状況だ」と、フラストレーションを隠せずにいる。
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