2025年10月10日 NEWS DAILY CONTENTS

連邦大陪審、NY州のジェームズ司法長官を起訴 | トランプ氏は宿敵への “報復” 強める

バージニア州の連邦大陪審は9日、ニューヨーク州の司法長官レティシア・ジェームズ司法長官(民主)を銀行詐欺罪1件と金融機関への虚偽申告罪1件で起訴した。元FBI長官ジェームズ・コミー氏に対する起訴に続く、トランプ大統領の宿敵への“報復”と見られている。

ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官(photo: https://ag.ny.gov/)

起訴状では、ジェームズ氏が2020年にバージニア州ノーフォークの不動産購入のため10万9600ドルの住宅ローンを申請した際、虚偽の申告を行ったと告発。彼女は金融機関に対し、当該物件を個人用のセカンドハウスとして使用すると約束しながら、実際には賃貸に出していたとされる。また、ジェームズ氏が低金利や高額な売主クレジットなどから1万8933ドルの「不正な利益」を得たと主張している。

ジェームズ氏は司法長官の選挙運動中にトランプ氏の調査を公約、最終的にトランプ氏およびトランプ氏の会社が不動産価値を水増ししたとして提訴した。トランプ氏は有罪となり、ジェームズ氏は民事ビジネス詐欺事件で4億5000万ドル超の賠償金を勝ち取ったが、この金銭的制裁は後に控訴審で取り消された。

10日付のニューヨークタイムズは、ジェームズ氏とトランプ氏は同じ「不動産詐欺」で争っているが、司法長官の訴訟の金額は1万8933ドルであるのに対し、大統領の訴訟では数百万ドルであることからトランプ氏に対する彼女の民事訴訟を「縮小版で再現した」と表現。2万ドル足らずの起訴内容は、連邦検察官の大半が「追及するに値しない」と見なすほど少額とされている。

同紙によると、このような少額を争点とする連邦事件は極めて異例であり、起訴状が主張する事実関係に異論が唱えられる可能性が高いという。ジェームズ氏の住宅事情に詳しい関係者の証言によると、当該物件は賃貸用として使用されたことはなく、ジェームズ氏の家族が居住していたという。賃貸契約は存在せず、ジェームズ氏は現在も住宅ローンを支払い続けていると同関係者は述べている(ただし、この人物は公に発言する権限は与えられていない)。

今回の訴訟はコミー元FBI長官に対して起こされた訴訟と同様に、トランプ氏の元個人弁護士で、9月からバージニア州東部地区の暫定連邦検事となったリンジー・ハリガン氏によって起こされた。ハリガン氏は検察官としての経験は皆無で、コミー事件と同様に起訴状に名前が記載された検察官はハリガン氏のみ(通常は、捜査を担当した一般検察官が裁判書類に署名する)。トランプ氏は、ジェームズ氏とコミー氏に対する訴訟に懐疑的な見解を示したとして、ハリガン氏の前任者であるエリック・S・シーバート氏を更迭していた。

SNSに投稿した動画でジェームズ氏は、起訴内容を「根拠のないもの」と否定。大統領の行動を、大統領が司法制度を武器として利用する絶望的な行為の継続に過ぎず「憲法秩序に対する重大な侵害」と激しく反発している。

ジェームズ氏の弁護士アビー・D・ローウェル氏は声明で、「本件がトランプ大統領の復讐心によって動かされていることに深く憂慮している。(検察官らが起訴の根拠なしと結論付けたと報じられたにもかかわらず)大統領が公に誰かに対する起訴を指示できるーこれは法の支配に対する深刻な攻撃である」と述べている。

                       
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