11月4日、ニュージャージー州の知事選挙が実施される。世論調査によると、民主党候補のミッキー・シェリル下院議員が共和党候補のジャック・シアタレッリ元ニュージャージー州下院院内総務を僅差でリードしている。ニューズウィークの追跡調査によれば、シェリル氏が49%、シアタレッリ氏が44%と、その差はわずか5ポイントだ。25日付のニューズウィークは、ニュージャージー州知事選の重要性と、投票10日前の世論調査から勝者を読み解いている。

NJ州知事選挙、なぜ重要なのか
ニュージャージー州は、バージニア州とともに今年、知事選挙が行われる2州のうちの一つ。有権者は、2期目で今年で最後の任期を終えるフィル・マーフィー知事(民主)の後継者を選ぶことになる。州全体の選挙では長い間民主党が優勢で、2013年以降、共和党は州知事の座を奪還しておらず、1988年以降、ニュージャージー州は全ての大統領選挙で民主党候補を支持してきた。しかし2024年、トランプ氏は20年に比べ共和党の得票率を10ポイント向上させ、20年間で同州における共和党の最高得票を記録した。
シアタレッリ氏が接戦の結果、あるいは僅差で負けたとしても、それは郊外における共和党の勢力の復活を示し、北東部全域における民主党の支配力の回復力を試すものとなる。また、有権者の経済に対する不満やトランプ氏の影響力に対する見方が、24年以降の政治情勢をどのように形作っているかを早い時期において両党に示すものとなる。
イギリスのサリー大学でアメリカ政治を教えているマーク・シャナハン氏は、シェリル氏が依然として勝利する可能性が高いと予想する。「接戦だが、ニュージャージー州は依然として民主党の州だ。シェリル氏が、退任するマーフィー知事の単なる再選候補であることに不安の声もある。また、対抗馬であるシアタレッリ氏は、トランプ大統領の支援を受け、減税を公約に掲げて精力的な選挙運動を展開しており、まずまずの選挙戦を展開している。しかし、彼はこれまで2回、知事選挙で敗北しており、3度目にして幸運が訪れる兆しは見られない」
「現時点では、この選挙戦は予想通りの方向に進んでいる」と話すのは、フェアリー・ディキンソン大学の政治学教授でFDU世論調査所所長のダン・カッシーノ氏。「未決定層の有権者はほぼ全員が意思決定を終え、党派支持者は懸念を脇に置き、自党候補を支持する態勢を整えている」

性別と教育格差が選挙戦を左右
世論調査によれば、性別と教育水準が選挙戦の主要な分断線となっている。ラトガース大学イーグルトン研究所の調査では、女性は男性より18ポイント高くシェリル氏支持を示し、16ポイント低くシアタレッリ氏支持を示した。非ヒスパニック系白人有権者はシアタレッリ氏支持(53%対46%)に傾く一方、シェリル氏は非白人有権者層で圧倒的優位(59%対29%)を維持。大学卒業者層でもシェリル氏が61%対35%でリードする。これに対しシアタレッリ氏は短大卒以下層で55%対38%の優位を保っている。
年齢も影響している。65歳以上の有権者層ではシェリル氏が61%対36%で優位だが、若年層では差が縮まる。18~34歳ではシェリル氏49%対43%、35~49歳ではシアタレッリ氏53%対39%、50~64歳ではほぼ互角(49%対48%)だ。
政策課題では有権者の意見が分かれる。生活費と生活水準ではシェリル氏とシアタレッリ氏がほぼ同率(42%対41%)。雇用・経済・税制ではシアタレッリ氏がわずかにリードする一方、教育・インフラ・医療ではシェリル氏が優勢で、特に医療分野では50%対35%でリードしている。一方、シアタレッリ氏は犯罪対策・公共安全で49%対35%とリードしている。
トランプ氏の影響が選挙戦に影を落とす
ラトガーズ・イーグルトン大学の世論調査によると、有権者の52%が、トランプ氏を投票の決定における「主要な要素」と認識しており、その内訳は、民主党支持者の78%、共和党支持者の38%、無党派層の42%だった。
シアタレッリ氏はトランプ氏から指示を受け、トランプ氏の政策や選挙運動の代理人たちに同調している。また、選挙運動では、大統領の側近たちと一緒に姿を見せている。
一方、シェリル氏はトランプ氏の影響力に対する声高な批判者として自らを位置付け、シアタレッリ氏を繰り返し「100%MAGA(トランプ支持)」と呼び、同氏がトランプ氏の政策と密接に結びついていると主張している。
拮抗する支持率
両候補の鮮明な違いにもかかわらず、支持率は依然として拮抗している。クィニピアック大学が10月中旬に実施した世論調査によれば、有権者の43%がシェリル氏に好意的、38%が否定的、18%が「彼女について十分な情報を得ていない」と回答した。チアタレッリ氏の評価はやや低く、好意的39%、否定的46%、13%が「十分な情報を得ていない」と答えた。
ラトガース大学イーグルトン研究所の10月中旬調査では、有権者の42%がシェリル氏に好意的、45%が否定的と回答。チアタレッリ氏は41%が好意的、47%が否定的だった。両候補について「意見がない」と答えた有権者は約10人に1人にとどまった。
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