ファストフードのCMの中には、「名作」として記憶に残るものもあれば、タイミングの悪さ、文化の違い、広告意図への配慮の欠如といった要因が重なり、大失敗に終わった作品もある。グルメ情報サイトのチャウハウンドは11日、長年にわたり物議を醸したファストフードのCMを10本紹介した。

1)ジャック・イン・ザ・ボックス「トライ・マイ・ボウルズ」2018年
#MeToo運動の真っ只中に公開された、新商品テリヤキボウルの駄洒落だらけのCM。面白いと感じた視聴者がいた一方で、睾丸に関する駄洒落や食べ物を性器に例えるというコンセプトは、受け入れ難いと嫌悪感を示した人も多かった。ジャック・イン・ザ・ボックスと広告代理店は、「広告は#MeToo運動とは一切関係ない」と主張しつつも、「ハラスメントには反対」と表明した。
未亡人の母親と息子を起用した、センチメンタル路線のCM。「未亡人や父親を亡くした子どもたちを不快にさせる」「操作的で搾取的」「広告の中の少年がどうして幸せになれるのか理解できない」「悲しみを利用してハンバーガーを売っているように見える」などと非難轟々に。マクドナルドは謝罪し、最終的に放送を取りやめた。
「黒人はフライドチキンを食べる」というステレオタイプな偏見を助長するとしてアメリカ人から「人種差別的だ」と非難されたCM。オーストラリア人からは逆に「フライドチキンのステレオタイプはアメリカ特有のもの」「アメリカの歴史だけが歴史だと決めつけている」と非難の応酬に。それでもKFCオーストラリアは謝罪し、放送中止に。
テキサスとメキシコをモチーフにしたテックス・メックス・シックバーガーのCMは、非常に示唆的で際どい内容だったため、「性的搾取」「女性を物として扱っている」などと非難の対象に。アメリカ代表チームのファンは全員ブロンドで白人であるのに対し、メキシコ代表チームのファンは全員ブルネットで肌の色が濃いため、「人種差別的」と捉える人もいた。また、2016年の大統領選挙を控え、移民問題が政治的に注目されていた時期に国境のイメージを広告に使用したこともも批判された。イメージ自体をそれほど気にしない人もいたが、ハンバーガーを売るための広告で人種問題や移民問題に言及したことを不快に感じる人もいた。
「どう解釈すればいいのか分からない」「非常に奇妙で笑える」「マジで不気味」と物議を醸したCM。出演している男性は2人ともアジア人で、オフィスには韓国語のポスターが貼られていたため、蛇のようなカンフーの動きが「ステレオタイプで人種差別的」と感じた人も。
ワッパーが34日間かけてカビが生えていく様子を、文字通りタイムラプスで撮影した作品。見ていて不快だが、バーガーキングの勇気には、ある意味“脱帽”もの。「自社の食品は本物で新鮮、人工保存料は一切使っていない」と訴求したかったバーガーキングの意図に反して不快に感じた人が多かったが、中には「勇気あるキャンペーン」と評価する人も。
7)KFC「ジンジャークランチサラダ(ひと口サイズ)」2005年
「マナー違反を助長している」「子どもが口パクで歌う真似をした」などと放送開始直後から苦情が殺到し、最終的にイギリスで最も苦情の多いCMとなった作品。ちなみにKFCのCMは2012年、イギリスで最も嫌われたCMのランキングでトップにランクインしている。
ベジタリアンとビーガンから反感を買う結果となったCM。アービーズは、「ベーコンを食べるのをためらうベジタリアンのスタッフのコメントからアイデアを得て、ちょっとしたジョークを仕掛けた」と釈明。アービーズは2017年、Spotifyでベジタリアン向けの広告を掲載し、「ベジタリアン」オプションとして中身が空のパンを提供していたことも指摘されている。
CMは広告会社やブランディング会社を含む多くの企業から好意的な反応を得たが、「災害やテロ攻撃をハンバーガーの売り込みに利用するのは下品で不適切」との意見が主にSNS上から寄せられた。マクドナルドは、「各店舗が地域社会の一員であることを示すこと、つまり、周囲の人々と何の繋がりもない単なるファストフード店ではないことを示すことを目的としていた」と説明し、これほどの反響は予想していなかったことを認めた。しかし、そのわずか数年前には、他の2社が9/11と真珠湾攻撃に言及したツイートを投稿。これらの企業も批判を受けていた。
ニュージーランドでアップされた「ベトナム風スイートチリ・テンダークリスプ・バーガー」のインスタグラムCM。一見すると、西洋人が箸を使えないことを揶揄しているように見えるが、ニュージーランド人からだけでなく、中国など遠く離れた地域の人からも「人種差別的で侮辱的」との非難が寄せられた。このCMはモデルのキャリアを危うく終わらせる事態に発展。CMは即座に撤回された。
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