2026年1月28日 COLUMN 山田順の「週刊 未来地図」

山田順の「週刊:未来地図」2026年はビッグイベントイヤー どうなる高市内閣、トランプ政権、世界と日本?(中)

ダボス会議にトランプが出席、なにを言うか?注目

 1月には、政治・経済のビッグイベントがある。それはなんといっても1月19~23日にかけて開催される「世界経済フォーラム」(ダボス会議)だ。
 今回の主なテーマは、以下のとおり。
・イノベーションの責任ある導入::AI(人工知能)の倫理的活用や大規模な技術革新
・地球の限界内での繁栄::公正で包括的なエネルギー移行の管理
・人材への投資: 教育やスキル開発を通じた将来の繁栄
 いま世界が直面している大問題は、「人類はAIとどう共生していくべきか」と「地球温暖化にどう対処していくか」の2つ。アメリカがトランプの時代になって、世界の枠組みが大きく変化、多極化が進んでいることにどう向き合っていくかも大きなテーマだ。
 今回は、トランプも出席を表明している。はたして、なにを言い出すのか、全世界が注目している。
 ダボス会議の前、年明け早々、ラスベガスで開催される世界最大級のテックイベント「CES」も注目だ。

イタリアで冬季五輪。スポーツ観戦は富裕層の娯楽に

 2月の注目はなんといっても、イタリアのミラノとその郊外のコルティナダンペッツォで開催される冬季五輪。期間は、2月6日~22日。スキージャンプ、スピードスケート、フィギュアスケート、スノーボードなどでメダルが期待されるので、連日、テレビ中継、ネット中継で盛り上がるだろう。
 ただ、この冬季五輪で指摘しておきたいのは、スポーツのビッグイベントに共通するチケット料金の高騰だ。もはや、スポーツ観戦は庶民のものではなく、選ばれたエリート、富裕層のものになっている。
 開会式は260ユーロ(約4万8000円)~2026ユーロ(約37万5000円)。アイスホッケー男子決勝は最高1400ユーロ(約24万円)。フィギュアスケートのエキシビションは最高1200ユーロ(約22万円)など、とても庶民には手を出せない額となっている。
 海外から行くとしたら、これに渡航費用、宿泊代、飲食代などが加わるので、ユーロ円が185円といういまの円安状況では、日本の庶民がとても行ける状況ではない。もともと、五輪は欧州貴族、上流階級の娯楽と社交の場で、20世紀のスポーツの大衆化で、様相が変わっただけだ。
 五輪観戦の高級化を象徴するのが、ホスピタリティパッケージというチケット。観戦チケットと競技場内外に設けられたクラブラウンジが使えるパッケージ・チケットで、ホスピタリティのグレードによって何種類もあるが、最低の競技場内のクラブラウンジ利用付きのもので325ユーロする。

WBC観戦チケットも高騰!なんと前回の4.4倍

 冬季五輪以上に盛り上がりそうなのが、3月のWBC(ワールドベースボールクラシック)。1次ラウンドは3月5日から東京、マイアミ、ヒューストン、サンファン(プエルトリコ)の4都市で幕開けとなる。「侍ジャパン」は東京ドームで開催される「プールC」で、オーストラリア、韓国、チェコ、台湾と戦って上位2チーム入りを目指す。
 この東京ドームのチケットが、開催全10試合のマススイート(10人定員)だと176万円。前回が40万円だったから、なんと4.4倍に値上がり。また、一般席は前回は一律3万6000円だったが、今回は最高ランクで7万円。
 「ならテレビ観戦だ」と言う人間ばかりだろうが、残念ながら地上波中継はなく、ネットフリックスの独占配信である。
 なお、決勝戦は3月17日にマイアミで行われる。

W杯のチケット高騰にサポーターの怒り爆発

 冬季五輪のところでもチケット高騰を述べたが、6月に開催されるサッカーW杯となると、これはもうとんでもないことになっている。
 決勝戦の最高価格は6370ドル(約99万円)。最低価格でさえ2030ドル(約31万5000円)で、前回カタール大会の約7倍だ。
 グループステージの最高価格は410ドル(約6万円3000円)。FIFAの参加加盟協会(PMA)の販路でグループステージから決勝戦まで1つの代表チームの試合をすべて観戦すると、最低のチケットで6900ドル(約107万円)かかる。
これでは、各国の本当のサポーターである庶民は、観戦できない。サポーターの怒りが爆発し、不買運動まで起こった。そのため、FIFAは、サポーター向けに60ドルでの販売を始めたが、その数はわずか。批判の声は収まる気配がない。

この続きは1月29日(木)に掲載します。 
本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。

山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。

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