2026年2月24日 NEWS DAILY CONTENTS

アメリカのリアルな食費事情、州で最大1.7倍差も? 鍵は「物価」より「所得」

おいly.

食料品価格が2019年以降約30%上昇する中、家計に占める食費の割合が州によって大きく異なることが、個人金融サイトのウォレットハブWalletHub)の最新調査で明らかになった。調査では全米50州を対象に26品目の食料品価格を集計し、各州の世帯年収中央値に対する食費の割合を算出した。

低価格で人気のトレーダー・ジョーズの店内。食料品価格の上昇が続く中、州ごとの所得水準によって家計に占める食費の負担に差が出ていることが明らかになった(photo: Miki Takeda)

◆最も負担が重いのはミシシッピ州

食費の負担が最も重い州はミシシッピ州で、世帯月収中央値の2.60%を食料品に費やしていることが分かった。続いてウエストバージニア州(2.54%)、アーカンソー州(2.44%)と、南部を中心に低所得州が上位を占めた。

調査によると、これらの州は必ずしも食料品価格が高いわけではない。例えばミシシッピ州は全米で6番目に食料品価格が安いが、世帯年収中央値が全米最低水準(5万4915ドル)であるため、結果として収入に占める食費の割合が高くなっている。

ウォレットハブのアナリスト、チップ・ルポ氏は「食料品支出の割合が高い州は、物価が高いというよりも、所得水準が低いことが主な要因だ」と分析している。

◆NY州は全米34位

ニューヨーク州は全米34位で、食費は世帯月収中央値の1.89%。全米平均よりやや低い水準となった。物価が高いイメージのあるニューヨークだが、所得水準も比較的高いため、収入に対する食費の割合は抑えられている形だ。ただし、州内でもニューヨーク市と地方部では所得や物価に差があり、実際の体感負担は地域によって異なる可能性がある。

◆NJ州は全米で最も低水準

一方、ニュージャージー州は1.51%で全米49位(下から2番目)。マサチューセッツ州と並び、全米で最も食費負担が軽い州の一つとなった。ニュージャージー州は世帯年収中央値が高いことから、食料品価格が一定水準であっても、所得に占める割合が低く抑えられているとみられる。

◆まとめ:所得格差が支出実態を左右

インフレ圧力が続く中、食料品は生活必需品であり、家計への影響は避けられない。今回の調査が示しているのは、問題の本質が単なる「物価上昇」ではないという点だ。アメリカでは食料品価格の高止まりが続いているが、家計負担を左右している最大の要因は価格そのものよりも「所得水準」であることが浮き彫りになった。

同じ程度の物価でも、所得が高い州では食費の割合は抑えられる。一方で、所得が低い州では価格が比較的安くても負担は重くなる。地域間の経済格差が、そのまま生活の余裕の差として表れている構図だ。今回の結果は、物価対策だけでは不十分であり、持続的な所得水準の底上げも重要であることを示している。生活の安定は「価格」と「所得」のバランスの上に成り立っているといえるだろう。

                       
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