ニューヨーク市のマムダニ市長が公約の柱に掲げる、2歳児向け無償保育「2-K」が、資金交付の遅れで予定通り始められない恐れが出ている。開始予定は9月10日だが、多くの民間保育施設には、教室の家具や文房具などの購入費、新たに雇った教員・助手の給与に充てる市の資金が届いていない。開園できない可能性を保護者に伝えた施設もある。ニューヨークタイムズが8月27日、伝えた。

ローンや借金で立て替える運営者も
市は2-Kに加え、3-Kや就学前教育を担う事業者に無利子のつなぎ融資を申請するよう促した。しかし融資自体も遅れ、一部の運営者は高金利の個人ローンや親族からの借金、個人貯蓄で立て替えている。子どもの軽食を廃止したり、保護者にクレヨン、トイレットペーパー、食べ物の持参を求めたりする施設も出た。ブロンクスで4施設を運営する事業者は、月32万ドルを超す経費を賄うため、自宅を担保にしたリバースモーゲージまで利用したという。
市の無償保育制度は、公立校ではなく、地域の民間保育施設が主に支える。事業者は従来から、市の支払いが数週間から数カ月遅れると訴えてきたが、取材を受けた18人は今回ほど深刻な状況は記憶にないと話した。最近閉鎖した施設もあり、職員への給与が1カ月以上未払いの例もある。
責任押し付け合う市監査室と教育局
支払いには年間契約の登録が必要だが、教育局は市会計監査官室の登録待ちと説明。一方、監査官室は教育局(DOE)から契約書が1件も届いていないとしており、責任の押し付け合いとなっている。市は今秋、2歳児枠を2000人分追加する計画で、市長報道官は遅れを「容認できない」として、他機関から教育局へ一時的に職員を配置して審査を急ぎ、1100超の事業者に融資方法を案内すると説明。初日までの資金確保を約束したが、既存制度の脆弱な基盤を立て直せるかが問われている。
















