連載695 地球温暖化の不都合な真実(1) 長期的に見れば「氷期」に向かっているのか? (中1)
毎年のようにやって来る記録的な寒波
しかし、感覚的にどうしても納得できないことがある。それは、はたして本当に地球が温暖化しているのかということだ。
年末に報道されたのが、カナダが記録的な寒波に見舞われ、マイナス51度を記録したということ。そのため、北部や西部では「極寒警報」が発令されたという。
日本にも寒波が襲来した。
東京は12月27日朝、記録的な冷え込みを記録した。12月に気温がマイナス2度台まで下がるのは45年ぶりとのことで、テレビは厚着で通勤する人々がみな白い息を吐き、会社に急ぐ映像を流していた。
東京ばかりではない。昨年暮れは各地で記録的な大雪となり、さらに、年をまたいでまたしても記録的な寒波がやって来た。
コロナ禍もあって「巣ごもりのお正月」となったものの、初日の出だけは見ようと、私は家族と近所の本牧山頂公園(横浜市中区)に出かけた。しかし、あまりの寒さに足が震え、日が昇るや早々に引き上げた。
近年の冬の寒さは異常だ。暖冬の年もあるが、ひとたび寒波が襲うと、寒さは記録的になる。これが世界中で起こっている。
これで、どこが地球温暖化なのだろうか?
バイキングの遺跡の年代が特定される
地球温暖化の報道を追いかけているなかで、目に止まったニュースがあった。昨年10月の時事通信の記事『バイキング活動年代、初特定 カナダ遺跡の木片、1021年切断 名大の発見が貢献』である。
要約すると、カナダのニューファンドランド島にある「ランス・オブ・メドー」遺跡(世界遺産に登録されている)がつくられた年代が、正確に特定できたということ。その特定の決め手となったのが、名古屋大の三宅芙沙准教授らが発見した大気中の放射性炭素(C14)濃度が急上昇するという現象だった。
C14は、銀河宇宙線や太陽から飛来する高エネルギー粒子が大気に衝突して発生し、二酸化炭素の一部として光合成で木に取り込まれる。このCO14が993~994年に急上昇していることを三宅准教授らが発見し、それから、木を調べれば年代を特定することが可能になったのである。
ランス・オブ・メドー遺跡というのは、バイキングが大西洋を渡って、カナダに定住した証拠となる遺跡だ。コロンブスの新大陸発見よりはるか前に、ヨーロッパ人は新大陸を発見していたのである。
今回、その年代の特定にあたったのは、オランダのフローニンゲン大やカナダ国立公園局などの研究チームで、彼らは遺跡から得られた木片を調べ、それが1021年に金属の刃で切断されたものと断定したのである。
それでは、なぜ私がこのニュースに注目したのか? 以下、 説明してみたい。
(つづく)
この続きは2月1日(火)発行の本紙(メルマガ・アプリ・ウェブサイト)に掲載します。 ※本コラムは山田順の同名メールマガジンから本人の了承を得て転載しています。

山田順
ジャーナリスト・作家
1952年、神奈川県横浜市生まれ。
立教大学文学部卒業後、1976年光文社入社。「女性自身」編集部、「カッパブックス」編集部を経て、2002年「光文社ペーパーバックス」を創刊し編集長を務める。2010年からフリーランス。現在、作家、ジャーナリストとして取材・執筆活動をしながら、紙書籍と電子書籍の双方をプロデュース中。主な著書に「TBSザ・検証」(1996)、「出版大崩壊」(2011)、「資産フライト」(2011)、「中国の夢は100年たっても実現しない」(2014)、「円安亡国」(2015)など。近著に「米中冷戦 中国必敗の結末」(2019)。
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