ハードカバーのアート本「The Art of Trader Joe’s: Discovering the Hidden Art Gems of America’s Favorite Grocery Store」が最近出版されて注目を集めている。著者は、イェール大学で美術を学んだジュリー・アバーバックさん。ニューヨークタイムズが10日、紹介した。

例えば、西72丁目とブロードウェイの店舗。バナナのディスプレイは天井から吊るした360度のポップアートだ。トップにはキングコングのおまけが付いている。アボカドの上の壁にはリンカーンセンターの階段の上で4人がダンス。近くにはコーンの缶詰をトーチの代わりに掲げる自由の女神もいる。エレベーターのドアに描かれているのは自然史博物館から出てきたような恐竜だ。アバーバックさんは「買い物に夢中になって、気が付かないのはもったいない」と話す。
商品のパッケージにも注目すべきとアバーバックさん。例えば、シーザーズサラダのパッケージに使われているのはジュリアス・シーザーではなく、姪の息子で後に養子となったアウグストゥス。フレンチ・ロースト・コーヒーのパッケージの絵は、1913年に出版された「The Sprit of Paris」に由来することを突き止めた。

アバーバックさんは「買い物客の目線で店内で見ることができるもの」を中心に自分の足で調査。170店舗以上に足を運んだという。トレーダー・ジョーズからの援助は一切ない。各店舗には専属アーティストがおり、壁の絵は手描き。だから各店舗ごとに味がある。
コネティカット州マンチェスターの店舗にはチョークを使ったモナリザの絵があり「Mona L.」と名前入りの社員バッジを付けている。ニューヨーク市内では東14丁目と1番街の店舗もアバーバックさんのお気に入りだ。イラストレーター、ピーター・アークルによるイーストビレッジの風景150枚を楽しめる。「全く予期していなかったところに、美を発見する喜びがある」と目を輝かせている。
編集部のつぶやき
駐在4年目に突入し、もっぱらネットスーパー頼みの生活をしていますが、それでもトレジョにだけは足を運んでしまいます。店舗ごとの個性あふれるアートは見ているだけで楽しいし、店員さんの愛強めの商品ポップも熟読しがち。季節限定アイテムは気づいたらカゴに入っており、思ったよりもお会計がいってしまうのはトレジョあるある?彼らのマーケティング戦略に完全に踊らされています(笑)(K.I.)
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