日本酒ブランド 獺祭を手がける旭酒造が3月10日、ザ・プリンス キタノ ニューヨークで新製品となる「DASSAI BLUE Beyond」の発表会を開催。新プロジェクトとなる、月での日本酒造りについても明かされた。

2023年にハイドパークに「DASSAI BLUE Sake Brewery」を設立し、現地での酒造りを開始した同社。「日本の獺祭」をライバルに掲げ、アメリカで市場を拡大し続けている。
そんななか今回は、アメリカで栽培された山田錦を使用した初の製品「DASSAI BLUE Beyond」の発売を記念したイベントが開催。アメリカの職人と日本の職人が協力して醸造した同商品は、メロンやバナナを思わせるフルーティーな香りが特徴で、白ワインのようなエレガントな飲み口だ。

アルコール度数は14度と、日本の獺祭よりも低く設定されているので、しっかりとした味わいは保ちつつも飲みやすい。同商品に関して、イベントに登壇した桜井博志会長は「今回この新作を紹介できることをうれしく、誇りに思います。チタンのボトルに入れ、『作ったそのままのスタイルを皆さまにお届けしたい』という思いから、冷凍状態で酒蔵で保存しています。酒蔵がオープンして3年間経ちましたが、ようやくここまできました」と、喜びをコメント。

またイベント内では、昨今日本酒業界の注目を集めている、月での日本酒造りについても紹介。2025年後半に国際宇宙ステーション内「きぼう」の日本実験棟での酒造りを計画しており、月面の重力(地球の約1/6)環境下での酒米(山田錦)、麹、酵母、水を用いての発酵、そしてもろみ生成に挑戦するという。
生成されたもろみは地球に持ち帰り、清酒として精製される。そして、その清酒は「獺祭MOON – 宇宙醸造」と名づけられ、うち100mlが1億円で販売される。ちなみに桜井会長わいく、「買い手(予約者)はすでに決まっております」とのことだ。日本を飛び出しニューヨークへ、そしてついに宇宙でのチャレンジもスタートする。
取材・文・写真/ナガタミユ
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