アメリカでは今、化粧が政治的対立の象徴となりつつある。SNSでは厚塗りのファンデーションや濃い眉が「共和党メイク」として揶揄される一方で、リベラル派も鮮やかな髪の色や真っ赤な口紅が「リベラルメイク」として嘲笑されている。11日付ウォール・ストリート・ジャーナルは、容姿に対する侮辱が連邦議会議事堂を含めて、より一般的になりつつある現状について考察している。

ローザ・デラウロ下院議員(民主)は、紫色にハイライトした髪で連邦議会合同会議でのトランプ氏の演説に出席したとしてSNSで炎上。ナンシー・メイス下院議員(共和)は、どぎついアイメイクが嘲笑の的に。過去にも第一次トランプ政権時のサラ・ハッカビー・サンダース報道官がアイメイクを揶揄されたり、ミシェル・オバマ元大統領夫人の外見が中傷されたことがある。
サラ・ローレンス大学の社会学教授であるジェシカ・ポーリングさんは「化粧は人々が意識的または無意識的に自身のジェンダーについて他者にメッセージを伝えるために使うツールの一つである」と述べている。化粧の仕方によって、人種、社会階級、性的指向などについても潜在的なメッセージを伝えることができ、政治の世界では、異なる化粧スタイルが「自分と違う人」を識別する手段になり得るというのだ。「MAGAメイクを揶揄するトレンドの裏には、トランプ政権下のアメリカで多くの女性が感じる集団的な怒りがある」と指摘するのはロサンゼルスを拠点とする Salt Spell Beautyのメイクアップアーティスト、ローレン・マクグラスさん。「女性たちの間に広がる分断を象徴している」と分析する。不自然なブロンザーメイクと眉毛のゲーツ元下院議員(共和)やアイラインを入れたバンス副大統領など、男性政治家の外見が取り沙汰されることもあるが、女性ほど批判の影響は大きくない。外見を巡る攻撃は、政治の場においても新たな対立軸となりつつあるようだ。
編集部のつぶやき
ゲーツ元下院議員の引っ張りすぎた(?)顔、怖いです。昔の方がずっと良かったのに。バンス副大統領のお目々、どう見ても不自然ですよね〜。(A.K.)
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