有名校への入学競争が激化 ー 塾・家庭教師の需要が急増
マンハッタン区では昨今、有名中学校への入学競争が激化しており、それに伴い個別指導の塾や家庭教師の需要が急増しているという。
例えば、ブルックリン区の地下一室で始めた学習塾カプラン(Kaplan)の試験対策コースは、もはや大学や有名私立中学または高校に入学するために必須となっている。
同塾は小中学生が溢れるマンハッタン区で、同区に残りたいが私立校に行かせる余裕のない家庭による、有名公立校への入学競争の激化に目をつけ開校し、ネット広告で普及。今では全世界30カ国に500教室を構えるまでに成長した。
日本ではひと昔前から浸透している公文(くもん)も最近では全米進出しており、マンハッタン区内にある12校には、小学3、4年生だけで3000人が登録している。
米国では中学入学に際し、州統一テストの結果が大きく影響するため、特に競争率の高いマンハッタン区に在住する多くの3、4年生の子どもを持つ親は、家庭の経済状況の善し悪しにかかわらず、週末や放課後を利用し、子どもを学習塾などに通わせる傾向にあるという。
ニューヨーク市は2002年以降、同区内に新たに中堅レベルの中学校を4校開校、さらに優良校の規模を拡張しているが、特定の人気校に入学希望者が集中する傾向は変わっていないという。
多くの有名校では、算数と国語の成績を特に重視しており、4段階中の3以上、テストでは90%以上の正解率を求められるほど。だが、倍率が約5倍にもなるため、これらの試験結果で入学の合否は決定できず、それぞれの学校が独自に実施する試験や面接、小論文の作成、過去の成績なども審査対象にしている。
競争の激化に伴い、生徒らの平均成績は飛躍的に伸びているが、一部の教育関係者からは、教育費に多額を費やすことのできる富裕層が有利になるこのようなシステムに対して批判的な意見も聞かれる。
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