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米国土安全保障省(DHS)は、不法入国者やビザ超過滞在者を特定するため、12月26日からアメリカに出入国する全ての非米国籍者に対し、顔認識技術を用いたスクリーニングを実施し、その写真を最長75年間保管する方針を打ち出した。初期段階では商業空港での写真のみを対象とするが、将来的には全ての空路・海路・陸路の入国管理施設に拡大する予定だ。身元確認の効率化を図る狙いだが、プライバシーやデータ漏洩への懸念も出ている。ウォール・ストリート・ジャーナルが3日、伝えた。

サイバーセキュリティー専門家らは、こうした大規模な生体認証データの蓄積が深刻なリスクを招き、ハッカーや犯罪組織にとって「格好の標的」になり得ると警告する。顔や指紋といった生体情報はパスワードと異なり、変更ができないため、一度漏洩すれば回復不能な被害を招く。漏洩した生体認証データは、深刻なプライバシー侵害だけでなく、AIを用いたディープフェイクや合成IDの生成など、サイバー犯罪に悪用される恐れがあり、また、テロリストが国家安全保障監視リストを回避する手助けとなる可能性も指摘される。
データ保存だけでなく、政府機関間や民間の契約会社とのデータ共有が脆弱性を増幅させることも懸念される。特に出国時のスクリーニングは新しく、政府側と航空会社提供のカメラ、さらに税関・国境取締局(CBP)職員が携行するモバイル端末が混在するハイブリッド方式になりやすく、取り扱う主体が増えることで不正アクセスや誤用のリスクが高まる。
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