高騰する家賃同様、保育料の家計圧迫が問題となっているニューヨーク。市と州は8日、2026年から2歳児向けの無料保育「2-Care」プログラム の段階的導入を発表した。新制度の概要と現在の保育料の実態、東京都の状況も併せて解説する。

NYで始まる「2-Care」無料保育とは?
「2-Care」は、2歳児を対象にした無料の保育プログラム。2026年秋から、まずは保育ニーズの高い地域で約2000人を対象にスタートし、その後4年ほどかけて市全体へ広げていく計画だ。今回の発表では、既に実施している3歳児向けの低額または無償プログラム「3K」や、4歳児向けの就学前教育プログラム「Pre-K」についても、より多くの家庭が利用できるよう予算を増額する方針が示された。ニューヨーク市全体で幼児教育の受け皿を広げていく姿勢が打ち出された形だ。
NYの保育料は、家賃並み?
こうした制度が求められてきた背景には、ニューヨーク市における保育料が全米の他の都市と比べて突出していることにある。0〜2歳児の場合、認可施設のデイケアでも月額2000〜4000ドル(日本円にして約30〜60万円)を超えることが珍しくないなど、家賃と同じか、それ以上の支出となる家庭も多い。幼児期の保育料が世帯収入の4分の1以上を占めるケースも報告されており、保育料は保護者が「働き続けられるかどうか」を左右する大きな壁となってきた。

東京では、既に0~2歳児の保育料が無料化
一方、日本、とりわけ東京都では、保育料の負担軽減が既に大きく進んでいる。日本の保育制度は公的支援の割合が高く、家庭の自己負担は比較的抑えられてきた。東京都では2025年9月から、これまで主に第2子以降が対象だった0〜2歳児の保育料について、第1子も含めて無償化が進められており、働く親の経済的な負担は大きく軽減。0〜5歳児を通じて、保育料を心配せずに働ける環境が整いつつある。
「2-Care」導入で、働き方は変わる?
ニューヨーク市ではこれまで、保育料の高さを理由に、片方の親がフルタイムで働くことを諦めたり、仕事を中断したりするケースが少なくなかった。特に母親がキャリアの継続を断念する例が多く、保育料は女性の就労参加にも大きな影響を与えてきた。
今回の発表を受け、XやThreadsなどのSNSでは、働く親たちからさまざまな声が上がっている。「やっとここまで来た」と歓迎する意見がある一方で、「定員は足りるのか」など制度の実効性を慎重に見極めようとする声も少なくない。中には、「もしこの制度が数年前にあったら、仕事を辞めずに済んだかもしれない」「キャリアの選択は違っていたと思う」と振り返る投稿も見られ、保育制度が人生の選択そのものに影響してきた現実が浮かび上がってくる。
「2-Care」の導入によって、ニューヨーク市が「子どもがいても働き続けられる都市」へと近づけるのか、その行方が注目される。
文/藤原ミナ
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