家族の介護は、精神的にも肉体的にもつらいものだ。問題は、「自分自身が疲れ切っているときに、どうやって他者をケアし続けられるのか」という点にある。ウォール・ストリート・ジャーナルが10日、家族の介護の過酷な現状を伝えた。

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介護者、特に高齢者の介護者として健康を維持する鍵は、食事・運動・睡眠といった一般的な健康法だけでは不十分だ。ストレスや悲しみの排除でもない。むしろ、大切な人がかつてできたことができなくなる現実、性格の変化、怒りや罪悪感、恐怖が自然な感情であると受け入れることが肝心だ。全てを完璧にこなそうとするよりも、ただそこにいて寄り添うことが、ときに私たちにできる最大限のことだと気づくのが重要だ。
全米介護者連盟とAARP(旧称:アメリカ退職者協会)の2025年度報告によれば、約6300万人が無償の介護を提供しており、その大半が高齢者の介護だった。約3人に1人が、5年以上介護を継続。約3分の2が、中程度から強い精神的ストレスを報告し、70%が身体的負担を経験している。
それでも多くの介護者を支えているのは目的意識だ。「厳しい現実の中でも、半数以上の家族介護者が、介護に深い意味を見いだしている」と専門家は語る。一方で、「仲間からの支援や職場の理解、介護者の休息支援が不可欠だ」とも指摘する。
介護や重い病と向き合う中で、意識的に前向きな時間を持つことは、心の健康を支える力になる。2017年にステージ4のがんで余命18カ月と診断された女性とその夫は、治療期間中の毎朝、エド・シーランの「Thinking Out Loud」に合わせて踊った。「今この場所で、愛を見つけた」という歌詞が、二人を支えたという。
介護者にとって最も難しいことの一つは、変えられない現実を変えようとするのを諦めることだ。老いや死との闘いを、自分の責任だと感じてしまう。「(何かを)すること」から、「(共に)いること」へ切り替えるのは、とても難しい。
長年連れ添った若年性アルツハイマー病の妻を施設に預けるという苦しい決断を下した男性の支えになったのは、最善を尽くしたという確信と、わずかな正気の瞬間だった。言葉を失いつつあった妻からの「あなたはいい人ね」という一言は、生涯忘れられないという。
仕事と子育てをこなしながら、認知症の両親と叔母を介護した女性は、自身の健康を後回しにし、高血圧や体調不良に悩まされた。現在はセラピストや家族に支えられ、少しずつ回復に取り組んでいる。
介護は、誰もが望んで引き受ける仕事ではない。それでも、多くの人が懸命に向き合っている。
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