本日2月11日よりいよいよスタートした「メルセデス ベンツ ファッションウィーク ニューヨーク」。悪天候をものともせず、モデルやファッショニスタが世界中から集まり、早くも熱気をみせています。やはり、醍醐味はモデルが動かずに立ったままで洋服をじっくり見せるプレゼンテーションより、モデルが練り歩くランウェイ。フロント・ロウのセレブリティをチェックしながら待つアノ緊張感と、一瞬に凝縮されたショーの潔さがたまりません。CFDA(アメリカファッション協議会)によるとファッションウィークの経済効果は、テニスのニューヨーク・オープンやニューヨーク・マラソン、スーパーボウルよりも大きいと昨年のデータに表れていたそうです。
今季からパリ、ミラノ、ニューヨークのコレクションが通常より1週間後ろ倒にして始まることとなりました。そして新たに2016年春コレクションとして、ランウェイやプレゼンテーション、イベントやショーを含めた「ニューヨーク ファッションウィーク:メンズ」が今年6月中旬に開催されることがつい先日、CFDAより発表となりました。それはニューヨークでマーケットウィーク期間中であり、バイヤーが世界中から集まっているベストな時期に行われます。これまでにニューヨークのメンズウエアは春夏コレクションは下火となり、ランウェイだけでなく出展さえ止めるところが増えるという現状がありました。なぜなら、メンズに関してはロンドン・コレクションのすぐ後の6月にミラノ・コレクションが行われ、ニューヨーク・コレクションは9月と、大きく出遅れ、さらにリテーラーの注文期間が完全に終わった後にお披露目という、アピールに繋がらない最悪なタイミングだったからです。
CEOのスティーブン・コルブ氏は言います、「アメリカン・メンズウエアはより強力に、よりクリエイティブになっている」。リアル・クローズを重視するニューヨークのメンズウエアブランドの世界は、もっと地に足の着いたショーを楽しむことができます。 今季の秋冬コレクションでは、アラバマ州フローレンスからアメリカ南部のシックなコレクションを引っさげたビリー・リード、ニューヨーク発のトッド・スナイダーなどは今季も引き続きランウェイを展開する模様。敢えてファッションウィークの期間中でなく、ひと足先に開かれたラグ&ボーンのコレクションは、ダンサーを使った映像と写真のショーをイベント形式にしたもの。それぞれのブランドがより進化した見せ方で、インパクトを狙う様子に今回も目が離せません。

2月3日に行われた「ラグ&ボーン(rag & bone)」の2015秋冬コレクションの模様、大きなスクリーンに映し出されるのはモノクロのコーディネートに身を包んだダンサーふたり。動きのある見せ方でレイヤーをドラマチックに見せている。

フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
www.ayakomboo.com
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。
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