2026年5月27日 NEWS DAILY CONTENTS

「大学は出たけれど…」アメリカの新卒就職に逆風、高卒や短大学卒はさらに困難に 

2026年春に卒業するアメリカの大学生たちは、近年でも特に厳しい就職市場に直面している。企業が採用を大幅に絞り込む中、ようやく内定を得ても希望する職種ではないケースが増えている。ウォール・ストリート・ジャーナルが22日、伝えた。

巨匠、小津安二郎監督の映画「大学は出たけれど」と同じ現象が。写真はイメージ(photo: 本紙)

さらに、学生の間にはAIの普及によって「大学で学んだスキルが将来不要になるのではないか」との不安も広がっており、卒業式の祝辞でAIを称賛する発言に学生から冷ややかな反応が出る場面もあるという。ニューヨーク連銀によると、22~27歳の学士号取得者の失業率は今年3月時点で5.6%となり、コロナ前の2019年末の3.6%から大きく上昇した。

仕事探しを諦める高卒・短大卒

状況が最も厳しいのは大学を卒業していない若者たちだ。専門家は、失業率だけでは実態を十分に表せないと指摘。高卒や短大卒層では、そもそも仕事探しを諦める人が増えているため、失業率に反映されにくい。実際、労働参加率は2019年の77.1%から75.9%へ低下した一方、大卒者は85.7%から86.7%へ上昇した。就業率でも、大卒者は82.4%とほぼ横ばいを維持したが、高卒~短大卒層は70.5%まで下がっている。つまり、大卒者も苦戦しているものの、学位を持たない若者はさらに厳しい状況に置かれているということだ。

大学の価値変化と景気減速、AIの浸透も

背景には景気減速やAIの浸透だけでなく、「大卒の価値」の変化もある。アメリカでは学士号以上を持つ労働者が増え続け、全就業者に占める割合は10年前の約36%から現在は約42%へ上昇した。その結果、大卒者の賃金優位性も縮小しており、学士号保有者の賃金プレミアムは2015年の約63%から昨年は約55%へ低下した。

ハーバード大学の経済学者、クラウディア・ゴールディン氏とローレンス・カッツ氏は、「これは過去に何度も繰り返されてきた現象である」と指摘する。1900年代初頭には高卒の労働者はごく一部に過ぎず、その資格を持つことで労働者は大幅な賃金プレミアムを得ることができた。しかし、高校を卒業することが「まれ」から「一般的」へ、そして「ほぼ普遍的」へと変化するにつれ、そのプレミアムは徐々に失われていった。今後は大学名や学位だけではなく、インターン経験や専門スキル、AIを使いこなす能力など、実践的な強みを示せる人材がより求められそうだ。


                       
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