寄生虫が引き起こす腸の感染症、サイクロスポラ症の大規模流行を受け、ニューヨーク周辺では、スーパーマーケットの袋入りレタスを避け、農産物直売所やファーマーズマーケットで地元産を買う消費者が増えている。ニューヨークタイムズが8月10日、伝えた。

米疾病予防管理センター(CDC)が、汚染されたアイスバーグレタスとの関連を示した州は計15州に拡大。7月には大手生産会社テイラー・ファームズ(Taylor Farms)の中部メキシコ産袋入りアイスバーグレタスが27州で回収され、ニュージャージー州も対象となった。対象外のニューヨーク州にも、取引先を通じて出荷された可能性があるかは明らかになっていない。
見えない流通経路が不安の原因に
消費者の不安の原因は、サラダに入る葉物野菜の産地や流通経路が見えにくいことだ。大手の野菜は自社名だけでなく、スーパーマーケットの独自ブランドや外食店向けにも広く販売される。回収品の一部はタコベルやジャック・イン・ザ・ボックスに納入された他、大手卸を経て病院、大学、キャンプなどにも流通した。
地元産が安心とは限らず
一方、地元産は「生産者との距離が近く、家族経営の小規模農場が多い」として安全な印象を持たれている。ただし、汚染はどこでも起こり得るため、地元産なら必ず安全とは限らない。7月のスーパーマーケットの包装済みサラダ販売は前月比20%減。今後も地元産を選ぶ人がいる一方、価格を重視する層は、比較的安いスーパーマーケットの商品に戻るとみられる。
判明しているだけでも2万2000人が感染
連邦当局が追跡する感染者と感染疑いは約2万2000人。死者も2人報告されている。受診や検査をしていない人もいるため、実数はさらに多いとみられる。ニューヨーク州では5月以降833人が診断され、うち553人はニューヨーク市内だった。症状が一度治まったように見えて再び現れる場合もあり、専門家は感染経路の把握を急いでいる。
現実的な対処法は?
CDCによると、結論として外食を全面的にやめる必要はない。今回、避けるべき対象は「レタス全て」ではなく、回収対象となったテイラー・ファームズのメキシコ産レタスで、8月5日時点では、回収品の賞味期限は既に過ぎ、CDCは「店舗やレストランには残っていないはず」としている。
タコベルも7月17日以降、該当業者のレタスを使用していないと米食品医薬品局(FDA)に報告している。また、チポトレ、マクドナルドなども今回の感染源として名指しされていない。どうしても不安な場合は、「レタス抜き」で注文すれば、今回の感染源に対するリスクは下げられる。ただし、調理器具や作業台を介した交差汚染の可能性までは完全にゼロにはできない。
より慎重にする場合は生野菜やサラダを避け、中心まで加熱された料理を選ぶこと。一方、水洗いはリスクを下げるが、完全に除去できるとは限らない。
なお、4月にブルックリンの飲食店で発生した小規模クラスターでパクチーが最有力の疑いとなった件(本紙7月20日号で既報)=8月10日時点で、ニューヨーク市衛生局(DOH)は、市内の感染全てをパクチーまたはレタスで説明できるとは発表しておらず、共通感染源は未確定。特に慎重にしたい場合は、外食時に「生のパクチー、サルサ、ワカモレを抜く」ようにしよう。
















