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日本食材やレストランサプライの買い付け機関として、米国で89年の長きにわたり日本食文化の普及に努めてきた共同貿易は3日、マンハッタン区のメトロポリタンパビリオンで「Japanese Food and Restaurant Expo 2015」を開催した。
ことしで22回目を迎えた、ニューヨークで開かれる日本食の飲食関連業者向けイベントとしては最大級の同イベントは、年々規模を拡大し、過去最多人数となる約1700人が来場した。広い会場のメインフロアには80以上の食品、酒類メーカー、2階には包丁やレストランサプライのメーカーがブースを出店し、各社自慢の商品や販売開始に先駆け新商品を売り込んだ。S&Bやオリオンビールといった馴染みのメーカーに加え、これから米国での展開を本格化していく中小メーカーも例年より多く見受けられ、米国でますます拡大する日本食市場の勢いを感じさせた。
今回米国初進出となった茨城県の「月の井酒造」は、特別純米「和の月」などオーガニックの日本酒や梅酒を振る舞い注目を集めた。同蔵元の7代目、坂本敬子氏は「安くておいしいのは当たり前で、それにオーガニックが加わった日本酒を、ニューヨークから広めていきたい」と述べた。一方で、既に米国での販売網を固め知名度を上げた蔵元は、世界中で展開を広げるために、きちんと商品を理解して任せられる人材が必要と、今後の課題も見えた。
毎年旬のトピックを取り上げたフードデモンストレーションとセミナーでは、「宮崎牛」、「酒&ラーメン」のほか、「日本のウイスキー」が初めて登場した。
共同貿易CEOの山本耕生氏は、「日本食が世界で広がるなかで、これからは品質が求められる時代。また、日本人シェフが減少する今、シェフを育てていく活動にも力を入れたい」と述べた。同会長の金井紀年氏は、「ユネスコの無形文化遺産としても認められた和食が、これからどこに向かっていくのか楽しみ」と日本食に懸ける期待を語った。
ことし初めて訪れたという市内のレストランに勤務する米国人男性は、「酒はどれもおいしいが、どれも違った個性があって興味深い。きょう目にした日本の商品から多くの刺激を受けた」と感想を述べた。
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