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結婚後に夫婦がそれぞれの姓を名乗り続ける「夫婦別姓」を選べないのは憲法に違反しているとして今年1月、日本国に損害賠償を求めて提訴したソフトウエア開発会社「サイボウズ」社長の青野慶久さんが10月31日、マンハッタン区で記者会見を開いた。「日本の常識は世界の非常識ということもある。ニューヨークからぜひ外圧をかけてほしい」と賛同を求めた。
青野さんは結婚後、戸籍上は妻の姓「西端」に変更したが、仕事上では旧姓の「青野」を通称として使用。しかしパスポートなどで戸籍上の姓を強いられ使い分けが面倒になったこと、海外出張時の身分証明で困ったことなど、使い分けにより直面したさまざまな弊害を明かした。
また、日本人と外国人が結婚した際には戸籍上の夫婦別姓が選択できること、日本人同士の結婚でも離婚後には戸籍上旧姓を使い続けられることを挙げ、「日本人同士が結婚したときだけ夫婦別姓を選べないのは戸籍法の欠陥」と指摘。戸籍法への条文の追加を求めている。「子どものころから使い慣れた名前を安心して使い続けられる社会、ひいては1人ひとりの個性を尊重し、自分らしく生きられる社会を実現したい」と訴えた。
青野さんによると一部の国会議員が「個人主義が進む」などとして夫婦別姓に強く反対。そうした批判に対し青野さんは「実体とは乖離している」とし、「みんな一律が幸せとは限らない」と語った。

改姓を証明するため新旧のパスポートを持ち歩いているという青野さん(photo: Yuriko Anzai / 本紙)
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