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マンハッタン区アッパーウエストサイドにあるセント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂は、壊されたままになっていた世界貿易センターのツインタワーの彫刻をこのほど修復した。ニューヨークタイムズが15日、報じた。
この彫刻は大聖堂の正面玄関の一部に施されている。原爆のきのこ雲を背景にツインタワーをはじめニューヨーク市内にある主要な建物が崩壊しているさまは、ヨハネの黙示録の「終末」を表現しているという。彫刻家のジョセフ・キンキャノンさん(58)が1990年代に制作した。9.11同時多発テロ後は、「テロ攻撃を予告している」などの陰謀説もささやかれた。その彫刻が、昨年のクリスマスから1月2日の間に、ツインタワーの上部3分の1のみ破損。壊される様子は防犯カメラに写っておらず、警察は犯人逮捕につながる手がかりを得られていない。
復元については議論があった。英国の石像彫刻家で大聖堂のアーチ道建設に関与したサイモン・ベリティさんは「壊れたものは壊れたまま残すべきだ」と主張。同聖堂を所有する米国聖公会のアンドリュー・ダイッチュ主教が修復を強く押して決定。再びキンキャノンさんに白羽の矢が立った。
キンキャノンさんは聖公会の「悲劇を芸術に昇華させる」との意図を汲み、復元した。ただし1つだけ細工をした。自身がかつて暮らした西112丁目のブラウンストーンのインディアナ石灰岩を材料として使ったのだという。
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