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ニューヨーク市警察(NYPD)で初の女性巡査部長を務め、性別問わず警察組織内で出世することができるよう後世へ門戸を開いたガードルード・シンメルさんが11日、死去した。96歳だった。
シンメルさんはブロンクス区の出身で、1918年ユダヤ系の家庭に生まれた。幼いころに世界恐慌を経験し、ニューヨークの変遷を見てきた。40年に18人の女性とともにNYPDへ入庁。その年採用されて警察官になった男性の数は300人だったというから、女性にとっていかに狭き門だったかが伺える。結婚、出産後にも復職し、二足のわらじを履くことは非常に珍しいことだったという。
60年当時、警察内で上官になることができるのは男性のみであると法律で定められていた。61年、彼女は立ち上がった。女性でも責任ある役職とそれに見合う給与を得る権利を求めて、NYPDを相手取り裁判を起こしたのだ。64年、ともに裁判を起こした女性と勝訴し、上官になることを夢見る未来の女性警察官たちへ道を開いた。65年、初の女性巡査部長に就任。警部、警部補を歴任し、いずれも初の女性監察総監、警視正にまで登りつめた。
ビル・ブラットン現本部長は、「ガラスの天井(能力があっても社会的少数者や女性が出生できない、見えないが破ることができないことの表現)を打ち破り、間違いなく組織で素晴らしい功績を残した女性だ」と故人を偲んだ。
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