Dr. 石谷三佳 なるほど!ザ・カイロ 毎月第1月曜号掲載 VOL.85 グラストンテクニック〜ダメージを受けた繊維を改善

グラストンテクニック〜ダメージを受けた繊維を改善

 「グラストンテクニック」を試したことはありますか? グラストンテクニックはカイロプラクティック治療で使われる、筋肉や腱、靭帯などの軟部組織のための治療法です。

この治療方法を用いて、痛みや機能障害を引き起こす「scar tissue」(瘢痕組織=傷ついた組織)を回復させていきます。
 関節を捻挫したり体を打ったりしたとき、傷ついた筋膜組織は弱くなり、耐久性や柔軟性に欠けてしまいます。このとき体は、傷ついた部分に、自発的に再生する「かさぶた」のような繊維を張り付けて守ろうとします。この繊維が張り付いて組織の中に残り、硬くなってしまった部分をscar tissueと呼び、これが体の正常な働きを阻害し、痛みが起こります。運動や交通事故などのけがでscar tissueができることもありますが、他にも、よく使う筋肉や腱、靭帯の小さな損傷が積み重なってできることもあります。

正常な組織

正常な組織

瘢痕組織

瘢痕組織

 グラストンテクニックでは、ステンレススチール製のカーブがついたスティック状の専用機器を患者の筋肉や腱、靭帯の上に滑らせ、聴診器のような役割で患部を探知します。医者も患者も、scar tissueに触れたときは皮下がデコボコしているのを感じます。この機器でマッサージすることにより、scar tissueをほぐし、痛みを緩和することができます。グラストンテクニックは、指圧などに比べ短期間で高い効果を得ることができるとされています。
 治療後は、再び組織が硬くなり粘着するのを防ぎ、健康な組織を保つためにストレッチを行います。さらに、ストレッチと合わせ必要な体力作りを指導することも、カイロプラクティック治療の一部です。
 グラストンテクニックは全ての患者に適しているというわけではありませんが、当院を受診する多くの患者の治療で効果を発揮しています。もし不快な痛みや凝りを長期間抱えていて、まだグラストンテクニックを経験していない方は、ぜひ当院にご相談ください。

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Dr. 石谷三佳
石谷ヘルスセンター院長。パーマーカイロプラクティック大学院卒後、ハーバード大学医学部専門課程終了。米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員も務め、2008年には「Chiropractor of the Year」を受賞。寄稿著者に“Neck Pain…
You Don’t Want It, You Don’t Need It”がある。

石谷ヘルスセンター
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