NY市の臓器移植がピンチ  業績不振で閉鎖の危機

 【11日付ワシントンポスト】ニューヨーク市の臓器移植ネットワーク(OPO)非営利団体、リブ・オン・ニューヨーク(LiveOnNY)が閉鎖の危機に直面している。
 全米58のOPOを監督するメディケア・メディケイド・サービス・センター(CMS)は先月4日、臓器提供者(ドナー)から腎臓、肝臓、心臓などの移植用臓器を回収する同団体に、運営基準2項目を満たさないとして、来年1月31日の契約満了時に更新しないとする文書を送達した。同団体はCMSに再検討するよう求めたが、9日に却下された。契約が更新できなければ、閉鎖せざるを得ない。
 同団体はニューヨーク市、ウエストチェスター郡、ロングアイランド、ペンシルベニア州の一部の1350万人以上の臓器移植を手掛ける全米2番目の規模。215人が勤務、9カ所の関連施設で複数の病院から回収した臓器の移植支援を行っている。CMSは、同団体閉鎖後も同地域での臓器移植に影響はないと強調した。
 移植用臓器は不足状態にあり、肝臓の提供を待つ市の患者団体が先月、臓器を回収した地域の患者への移植に限らず、全米の最も重度な患者に提供するよう方針改正を求めCMSを提訴することを示唆していた。
 現在、約11万5000人が臓器移植を待ち、1日に約22人が死亡しているという。

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