スタテン島の大観覧車、建設を中止 NY市の協力得られず、投資家が発表

【23日付ウォール・ストリート・ジャーナル】スタテン島北部沿岸に世界最大級の観覧車を建設する計画で、計画を主導していた不動産投資家のロイド・ゴールドマン氏およびジェフリー・ファイルトード氏は23日、計画を中止すると発表した。
同計画はマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が在任中だった2012年に提案。同島とマンハッタン区を結ぶフェリー乗り場があるセントジョージ周辺に商業施設を集める開発計画の一環として、ウォーターフロントパークに高さ約630フィート(約192メートル)の観覧車を建設するというものだった。しかし今年9月、ビル・デブラシオ市長が同計画を継続するために必要な3億8000万ドル(約428億円)の非課税債の売却の支援を断ったことを受け、ゴールドマン氏とファイルトード氏は同計画を中止する意向であることをウォール・ストリート・ジャーナルに伝えていた。
同計画は、想定された観覧車の料金および利用者数で採算が合うかどうか、また将来、税金が支払えるかなどについても疑問視されていた。
市経済開発公社(EDC)は同日「市は今後、残された土地をどのように活用していくかについて検討する」との声明文を発表。スタテン島のジミー・オッド区長は声明文で「観覧車はスタテン島の利益となると信じていたのに、残念だ」と述べた。