ニューヨーク州都市交通局(MTA)は8月10日、夏季に華氏100度(摂氏約38度)近くまで蒸し暑くなる地下鉄ホームの熱を回収し、冬の暖房に再利用する新構想「サーマル・エネルギー・ネットワーク(TEN)」の導入計画を発表した。州、市、MTAの提携プロジェクトで、実現すれば全米初となる。

省エネとクリーンエネルギーの推進も
第一弾はチェンバーズストリート駅 (J・Z線)と連結するブルックリンブリッジ-シティーホール駅(4・5・6線)で、マムダニ市長が「まるで恐怖部屋のようだ」と表現したチェンバーズストリート駅の改修に合わせ、地下鉄に蓄積された余剰熱を回収・再利用し、冬期には近隣の市有施設の暖房に活用する方法を模索する。これにより、化石燃料への依存度を下げ、長期的なエネルギーコストの削減とクリーンエネルギーの推進を目指す。
計画では80万ドルを投じ、チェンバーズストリート駅にある現在は使われていない中央ホームの地下にボアホール(縦穴)を掘削。吸収した余剰熱をパイプを通じてこの穴に送り、冬まで地中に蓄える仕組みを設計できるかを検証する。また、従来のエアコンよりも25〜35%エネルギー効率が高い放射冷却パネルを壁や天井、床に配置し、冷水を循環させてプラットホームの熱を直接吸収する。

2027年の始動目指す
MTAのリーバー会長は記者発表で、「至る所に入り口や通気口がある、築100年以上の地下鉄において、単純に空調設備を追加するだけでは冷やせない」と説明。「公共交通機関ではこれまで試されたことのない解決策を模索する」と述べた。酷暑日の駅構内は市内5区の各所で長年華氏100度前後に達しており、利用者の負担軽減が課題となっている。
実際にホームが涼しくなる時期や効果の程度は不明。市は2027年の始動を目指す。実現すれば、地下鉄の暑さ対策と公共施設の省エネ、暖房費削減を同時に進める試みとなる。
















