19世紀の預金記録を発見 「生活ぶり知る貴重な資料」

 ブルックリン区のキャピタルワン銀行フルトン通り支店で、来月の閉鎖に備えて地下室の書類を整理していたところ、1834年に設立されたバワリー貯蓄銀行のものと思われる預金記録が発見された。ニューヨークタイムズが2日、報じた。
 バワリー貯蓄銀行は、吸収合併を繰り返し、現在は存在していない。同紙によると同区バワリー通りの本店に保管されていた書類は2004年、キャピタルワン銀行フルトン通り支店の地下室に移されたという。それが今回発見された書類だ。バワリー貯蓄銀行の1984年の150周年記念当時、書類保存の責任者だったバーバラ・ホウズさんは「開業当時からの記録があった」と証言。縦3から4フィート、幅2フィートの大きな台帳に預金者の氏名、金額だけでなく、両親や配偶者、誕生場所が記載されていた。多くはマンハッタン区ローワーイーストサイドに住み着いた移民で、家系調査に役立つという。
 ニューヨーク大学のマリオン・ケーシー教授は同紙に「当時の生活ぶりを知る資料として極めて貴重」とコメント。ニューヨーク公共図書館の学芸員、トーマス・ラモン氏は早速キャピタルワン銀行に連絡して、バワリー貯蓄銀行の書類閲覧を申し込んだという。
 キャピタルワン銀行は、この書類をどうするか未定だとしているが、「保存して公のために役立てるべき」との声が上がっている。