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抗生物質が効きにくく、重症化すると3人に1人が死亡する真菌(カビ)、「カンジダアウリス」の感染報告が、全米で増えている。そのうち約7割がニューヨーク州とニュージャージー州から。かぜをひいて免疫力が弱くなった人や、高齢者が特に感染しやすいとして、米疾病対策センター(CDC)は予防を呼び掛けている。
CDCによると、これまでの感染報告は全米で587件。そのうち309件がニューヨーク市を中心としたニューヨーク州内で、104件がニュージャージー州で確認されている。カンジダアウリスは2009年、日本で初めて検出。現在は米国やメキシコなど十数カ国にまで広がった。カンジダアウリスのうち約9割が、感染症に用いられる1種類の薬品に耐性を持ち、約3割は2種類以上の薬品に耐性を持つとのデータもある。通常の検査方法では検出しにくく、感染者に接触することで二次感染し、病院や介護施設でまん延につながってきた。感染すると血液感染症(敗血症)を引き起こすことがあり、重篤化すると3人に1人が命を落とすという。
ニューヨークタイムズによるとによると昨年5月、ニューヨーク州の男性がカンジダアウリスに感染。集中治療を施したにもかかわらず、男性は約3カ月後に死亡した。ブルックリン区のマウントサイナイ病院で昨年、感染が確認された入院患者の病室内はウイルスで汚染され、同病院では壁や天井を引きはがし、特殊な装置を使って洗浄する必要があったという。
CDCは感染の拡大を防ぐために、病院や介護施設に行く際はアルコールなどを使って手指を清潔に保つ他、感染者に近付かない、傷口を触らないなど予防を呼び掛けている。
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