うそで塗り固めた人生、女に実刑 大金盗み豪遊「悪いと思わない」

 身分を偽って富豪になりすまし、友人や金融機関から大金を盗んだとして、重窃盗などの罪で有罪評決を受けていたアンナ・ソロキン被告(28)に対し、マンハッタン区のニューヨーク州高位裁判所は9日、禁錮4年から12年の判決を言い渡した。翌日、被告はニューヨークタイムズの取材に対し「悪いと思っていない」と開き直っていた。
 マンハッタン地区検事局によると、ソロキン被告はロシアからの移民。ニューヨーク市に来て早々、信託基金を持つ裕福なドイツの相続人「アンナ・デルビー」と名乗って生活を始めた。うその身分と外国の銀行残高証明を使い、使途を偽って市内の銀行から10万ドルの融資を受けた。他の銀行にも口座を作り、不渡りの小切手を使って何万ドルもの現金を引き出した。手に入れた資金で高級ホテルに転々と滞在、高級ブランド服を着て、富裕層のパーティーサークルで豪遊。友人とモロッコへ旅行した際には、返済する気がないにも関わらず何千ドルもの旅行代金を友人に建て替えさせた。プールを貸し切り、執事を付けるなどの散財ぶりだった。こうして2016年12月から17年8月の間、合計で27万5000ドル(約3000万円)を盗んだ。
 ソロキン被告は4月末、有罪評決を下されていた。ニューヨークタイムズは量刑言い渡しの翌日、ライカーズ島に収監された被告に取材した。被告は「こうでもしないと、まともに話をしてもらえないんだもの」と釈明。「申し訳ないと言えばうそをつくことになる。できることなら、また同じことをやるわ」と話したという。