グロリア・バンダービルトさん、95歳 富と美貌に恵まれた「社交界の花」

 大富豪の令嬢として生まれ、ファッションデザイナー、作家、モデルとして活躍、「ニューヨーク社交界の花」とうたわれた、グロリア・バンダービルトさんが17日、胃がんのため亡くなった。95歳だった。4人息子の1人、ジャーナリストのアンダーソン・クーパーさんは同日、自身がキャスターを務めるCNNで声明を発表。「人生を謳歌した類まれなる女性。95歳だったが、誰よりも若々しくクールでモダンだった」と悼んだ。
 鉄道で財をなした米国有数の大富豪、バンダービルト家のレジナルド・クレイプール・バンダービルトの1人娘として1924年に出生。グロリアさんが1歳半のとき、レジナルドが肝硬変のため45歳で亡くなった。19歳だったグロリアさんの母は豪華客船で大西洋を頻繁に往復し、ヨーロッパで派手なパーティーを催してグロリアさんのための信託基金を浪費。見かねた叔母のガートルード・バンダービルト・ホイットニーさんが34年、裁判を起こして養育権を得た。 
 70年代には自らモデルとしてファッションブランドを成功させた。4度結婚し、俳優のマーロン・ブランドや歌手のフランク・シナトラなどとも浮名を流した。三男のカーターさんは88年に23歳で自殺。米メディアによるとグロリアさんは後年「あの子のことを話していると、まるでまだ生きているよう。悲しみは尽きない」と話していたという。

1959年当時のグロリアさん(photo: United States Steel Corporation, the show’s sponsor.)