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ニューヨーク市のデブラシオ市長は23日、市庁舎での集会で、企業に退職金積立制度を導入することを義務付ける条例案への支持を呼び掛けた。ウォール・ストリート・ジャーナルが同日報じた。
昨年提案されたこの条例案は、従業員数10人以上の市内の全ての企業に退職金口座の開設を義務付けるもの。従業員が転職した場合も、積み立てた金額を新しい職場の口座に移すことができる。従業員は自動的に退職金制度に組み込まれるが、後から脱退することは自由。
同紙によると現在市では約350万人が民間企業で働いているが、そのうち約150万人が退職金制度に加入していない加入している約200万人のうちの多くも、充分な金額が貯えられているわけではない。
同紙が市のデータとして報じたところによると、50歳から64歳の市民の40%が、退職のための貯えが1万ドル(約107万円)に満たないという。条例案が成立すれば、市の100万人以上の従業員が退職金制度に加入できることになる。
市は最初の3年間、準備資金として150万ドルから300万ドル(約1億6000万円から32億円)を負担。この間、企業側の負担はないが、それ以降は企業が補助金なしに運営していく。
集会に参加したオンザ・リンチさん(49)は「職に就いたのは30年前。退職金積立制度はなかった」と悔しがる。「子どもの負担にはなりたくない。自分の面倒は自分が見たい」と話した。
条例案の票決日は未定だという。

23日、集会の参加者ら(photo: Michael Appleton/Mayoral Photography Office)
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