ニュージャージー州ジャージーシティーの警察当局は11日、ユダヤ系スーパーマーケットで10日、6人の死者を出した銃乱射事件の容疑者が、ヘイト集団とつながりがあったことを発表した。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
デービッド・N・アンダーソン容疑者(47)とフランシン・グラハム容疑者(50)は10日、ジャージーシティー警察に15年勤続した警官、ジョセフ・シールズさんを射殺。その後、ジャージーシティーにあるユダヤ教で定めた食品(コーシャ)を販売するスーパーマーケットで銃を乱射し、同店の経営者の妻(33)とユダヤ教指導者養成学校の学生(24)、同店の従業員とみられる男性(49)の3人を殺害した。容疑者2人は、駆け付けた警察によって射殺された。
当局の発表によると、アンダーソン容疑者は「ブラック・ヒーブルー・イズレイライト(BHI)」に関係があったことが判明している。非営利の公民権擁護団体、南部貧困法律センターはBHIを、憎悪感情を拡散させようとするヘイト集団と位置付けている。
同容疑者は、SNS上で反警察や反ユダヤの投稿をしていた。また、同容疑者が運転していた車の中には、犯行声明と見られるメモ書きが残されており、爆発装置も発見された。2人は、現場からほど近い同州バイヨンヌで起きた別の殺人事件にも関与した疑いがもたれている。
米連邦捜査局(FBI)は国内テロの可能性も視野に入れて捜査している。
NYPDが特別捜査班を編成
極右過激派やネオナチを対象
ニューヨーク市のデブラシオ市長は11日、極右の過激派やヘイト集団を対象にした特別捜査班を今月初旬、ニューヨーク市警察(NYPD)情報部門に編成したと発表した。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
情報部門は過去約20年にわたり、アルカイダやイスラム国(IS)など、国際的テロ組織を追跡するための保安機構を構築。特別捜査班は、情報部門の中の「人種的・民族的に動機付けられた過激主義(REME)」と呼ばれる対策部門内に編成。既に極右の過激派および「アトムバフェン」や「プラウドボーイズ」などのネオナチ集団を対象に捜査を開始している。捜査は、SNSへの投稿の追跡や潜入捜査など、テロ捜査と同様の手段で行われる。
非営利団体、名誉棄損防止同盟(ADL)によると、2018年に全米で50人が過激派により殺害されていたが、その全てが極右のイデオロギーに基づくものだったという。

ユーチューブのチャンネル「CBS This Morning」のスクリーンショットより
(photo: CBS This Morning / Youtube)
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