ピュア・エステティーク・コラム
PURESTHETIQUE COLUMN
美容家によるスキンケアのおはなし
VOL.4
化学模擬した高機能成分「セラミド」

ヒアルロン酸は、分子が大き過ぎるために、皮膚の奥まで入ることが難しかったことから、最近ではナノ化された小さい分子の、更に浸透性の良いものが注目される様になりました。 しかし、このナノ化されたヒアルロン酸は、炎症や傷が出来やすくなるとも言われ、やはり生体内にある本物のヒアルロン酸と同じ効果は期待出来ません。
ヒアルロン酸の殆どは中国産で、トランスペアレント性がなく、植物原料等と書かれたものでも実際にその植物を使用する訳ではなく、その植物と似た成分を科学的に作っています。
ヴィーガン・ヒアルロン酸の原料は、バクテリアがベースになる事が多く、土壌などから採れた枯草菌の一種である納豆菌の微生物を使い、遺伝子組み換えし、クローニングしたものが使用される他に、馬の肺や腸から抽出されたインフルエンザ菌が使われているという説もあります。
しかし、こういった詳細表示は無く、工場からはヒアルロン酸とだけ書かれた白い粉が化粧品の製造元に販売され、それを水で薄められたものが消費者に届きます。
コロナが中国の工場から漏れた噂もある中で、ちょっと安全性を考えさせられてしまいます。
そして、ヒアルロン酸よりも更に水分保持力に優れているとも言われている「セラミド」。
スフィンゴ脂質という脂質の1つで、水分を挟み込み角質層の水分をホールドし、外部の刺激から肌を守るバリア機能を果たしたり、表皮や角層にある成分ですが、ヒアルロン酸と同じく、加齢と共に減少してしまいます。
植物から抽出されたセラミドは、植物由来と表示され、安全な高機能自然派成分と謳われ、肌が失ったセラミドを再び増加させ、アトピーにも効果があると信じている方も多いですが、こういった効果は、セラミドだけでの効果ではなく、セラミドを含む細胞間脂質がもたらすもので、コレステロールや遊離脂肪酸、コレステロール硫酸が合わさり、はじめて細胞間脂質としての効果がもたらされます。化粧品としてのセラミドは、あくまでも表皮の保湿が目的で、アトピー肌の治療効果はないようです。
更に浸透力の高いとされるナノ分子のセラミドの方が良いと言われていますが、ヒアルロン酸やコラーゲンと違い医薬品として使用される事はないセラミドは、もし、深い浸透で、血液、体内に増加したとすると、心臓発作、糖尿病を引き起こすという事が分かっています。セラミド信仰が進むあまり、セラミドを増やす食べ物なども紹介されていますが、それは危険な事にもなり得ますので、特に心臓疾患のある方、血糖値の高い方はご注意ください。

次号(6/18号)に続く

グラファム恵子
5番街エンパイアステート前、ホリスティックケアとレーザーのエステサロン「PURESTHETIQUE」オーナー。15年のファッション業界を経て、13年前に美容業界に転身。NY在住33年目。
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