トランプ大統領の不法移民に対する摘発に反対し、権力主義に反発する「No Kings」デモに14日、全米で500万人超(主催者発表)の市民が参加した。

ニューヨーク市では雨の中、約5万人が5番街を埋め尽くし、「独裁者はアメリカにいらない!」と声を上げた。トランプ氏が再選した昨年11月以来、同市では最大規模のデモとなり、市民のフラストレーションが浮き彫りになった。
「強く反対する声を伝えようと思って参加した。今まかり通っている独裁政治に僕は従っているのではない、認めていない、民主主義を信じているという立場を示したい」と話すのは金融機関に勤める20代のデビッド。
「政府の助成金が打ち切られるかもしれない大学に勤めている。科学と学問の独立と自由を信じていない大統領が、なぜこの国をグレートにできるのか、信じられない」と、大学教職員のシンシア。参加者がトランプ氏に反発する理由はさまざまだが、この日、手製のプラカードを手に5番街に集合し、思いを伝えた。
しかし、雨を跳ね返す熱気に満ちた5番街でも、黒人、ヒスパニック系、アジア系の参加者はトランプ氏が再選する前までの「ブラック・ライブズ・マター」などのデモに比べてかなり少なかった。「ロサンゼルスで警察が抵抗していない市民を逮捕したのを見て、デモに来るのを渋った知り合いがたくさんいる。彼らのためにも今日参加した」と、俳優のセスが説明する。
ロサンゼルスで8日に始まったデモと警察当局の衝突は、多数の市民が逮捕され、一部市民が暴徒化して車両に放火するまでに至った。複数のメディアによると、警察当局が過剰に反応し、催涙ガス、スタン・グレネード(閃光手榴弾)、ゴム弾を使ったことが分かっている。
しかし、14日のニューヨーク市警察(NYPD)は軽装で交通整理などにあたり、ロサンゼルスのような過剰な警備は見られなかった。
No Kingsデモは、トランプ氏の独裁的な政策に反対するため、市民運動団体Move Onやアメリカ教員連盟(AFT)など約200のグループが計画。主催者によると全米2000カ所以上でデモが展開され、500万人超が参加した。ニュースサイトAxiosによると、主会場だったフィラデルフィアで10万人、シカゴで7万5000人が集まった。
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