アメリカの「グリーンカード抽選制度」が一時停止、11月の銃撃事件が背景に

DHS Secretary Kristi Noem Official Portrait (DHS photo by Tia Dufour)
クリスティ・ノーム米国土安全保障(DHS)長官は昨年12月1日、多様性ビザ抽選制度(DV 1)を一時停止すると発表。同長官は、ブラウン大学で11月に起きた銃撃事件の容疑者が、8年前に、同制度を通じて永住権ビザ(グリーンカード)を取得し、アメリカに入国していたことが理由だとした。CBSニュースが12月20日、伝えた。

ネベス・ヴァレンテ容疑者(48)は11月13日、ロードアイランド州のブラウン大学で学生2人を射殺。9人を負傷させた他、その2日後にボストン近郊でマサチューセッツ工科大学(MIT)の教授を射殺した疑いがもたれていた。しかし同月18日、ニューハンプシャー州内の倉庫施設で、同容疑者が自殺とみられる状態で死亡しているのが発見され、一連の捜査は終結した。
ノーム長官はX(旧ツイッター)への投稿で、「このような凶悪な人物がアメリカへの入国を許可されるべきではなかった。トランプ大統領の指示の下、アメリカ市民の安全を守るため、直ちにDV 1プログラムを停止するよう米市民権・移民局(USCIS)に命じた」と述べた。
1990年代に開始された同制度は、アメリカへの移民数が比較的少ない国の出身者を対象に、毎年約5万件の移民ビザを抽選で付与する仕組みで、毎年、数千万人規模の応募があるとされる。応募者には、高校卒業以上の学歴、もしくは専門的訓練を要する分野で2年以上の職務経験が求められ、さらに厳格な身元審査および面接を経たうえでビザが発給される。
トランプ大統領は以前から同制度に批判的で、安全保障上のリスクがあり、雇用ベースのビザのような能力重視の仕組みではないと主張してきた。第1次政権時には、同制度で入国した人物がニューヨーク市でトラックによる無差別殺傷事件を起こしたことを受け、制度廃止を強く訴えた経緯がある。
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