おしゃれなレストランやバーが立ち並び、ニューヨークでも屈指の“大人の夜”を楽しめるミートパッキング地区にある、ホイットニー美術館(Whitney Museum of American Art)。ここで毎週金曜の夜に開催される「フリー・フライデー・ナイト」は、無料とは思えない満足度。「美術館デート」のイメージを軽やかに覆してくれる。

まずは、1階で乾杯からスタート
館内に入ると、ガラス張りの開放的なロビー越しにハドソンリバーが一望できる。「美術館に来た」というより、「これから楽しい夜が始まる」そんな感覚に近い。
まずは、1階ロビーに金曜の夜限定で登場するバーカウンターへ。「1週間おつかれさま」と乾杯するのがフライデーナイトのスタートだ。

スパークリングワイン(14ドル)、白・赤ワイン(各14ドル)、ロゼ(18ドル)、クラフトビール(10ドル)、カクテル(15ドル)。ノンアルコールのPhony Negroniも用意されている。選びやすく、迷いすぎない絶妙なラインナップだ。
ひと口飲んだら、エレベーターで5階へ。
夕日とアートのコラボ

床から天井まで広がる大きなガラス窓の向こうに、ハドソンリバーと対岸ニュージャージーのスカイラインが広がる。彫刻作品を眺めているうちに、自然と外の景色が視界に入り込み、アートと夕日が溶け合っていく。

反対側のテラスに出れば、作品を眺めながら風に吹かれる気持ち良さ。スマホを取り出せば、背景にはチェルシーの街並み。思わず写真を撮りたくなる瞬間だ。
6階、7階へと上がると、フロアごとに異なるアートの世界が広がる。

「これどういう意味だろう」と、ふたりで考える時間が最高。映像や音、光など、五感に訴える作品が多いのもホイットニー美術館の魅力だ。
“移動そのものが体験”になる階段

おすすめは階段を利用すること。吹き抜けに面した階段から見える景色は、上り下りするたびに表情を変える。とりわけ、ハドソンリバーがピンクやオレンジに染まる夕焼けの時間帯は圧巻だ。移動しているだけでアート体験になる、この場所ならではの魅力だ。
8階のバーで余韻に浸る

展示を見終えたら、8階のStudio Barへ。テラスに続くこのバーから、ハドソンリバーとエンパイア・ステート・ビルなどニューヨークのスカイラインが一望できる。

夕日が空をオレンジに染める時間帯と重なれば、もはや言葉はいらない。さっきまで見ていたアートの余韻を感じながら、もう1杯。
1階のクラブフロアで締める

バーを出たら、また1階に戻ろう。週によってはDJが入り、ロビー全体が音楽で満たされる。美術館にいることを忘れそうになる瞬間——これがホイットニーが「クラブみたい」と言われる理由だ。
帰り際には、Whitney Shopをチェックしよう。ビエンナーレのTシャツやトートバッグ、ユニークなグッズが並ぶミュージアムショップで「これいいね」「買っちゃおうか?」などとと迷うのもまた楽しい。素敵な夜の締めくくりになる。
金曜の夜は、まだまだ続く

美術館を出た後は、おしゃれな人たちが集まるミートパッキング地区で夜を続けよう。もちろん、美術館を「目的地」として訪れるのもいいが、近くのレストランでディナーを楽しんでから「ちょっと寄ってみようか」といった流れで立ち寄るのも、ここならではの楽しみ方だ。夕日を見てから食事でも、食後に夜景を見に来るのでもいい。食後に1階でDJの音楽を聴きながら飲んで、気が向いたら上の階へ——そんな気軽な使い方ができるのも、ホイットニーならではかもしれない。

次回は、ホイットニー美術館周辺のおすすめレストランを紹介する。
取材・文・写真/藤原ミナ
Free Friday Nights at the Whitney
日時
毎週金曜 17:00–22:00
場所
Whitney Museum of American Art
(99 Gansevoort St., Meatpacking District)
入館無料(要事前予約・定員制限あり)
25歳以下は毎日無料(会員は事前予約不要)
公式Webサイト
https://whitney.org

















