ニューヨーク市のジュリー・メニン市議会議長(民主)とアジア系アメリカ人市議会議員5人が7月14日、アジア系コミュニティーに対する2027年度の予算と施策について発表、併せて質疑応答を行った。当日は、中国、韓国、インド、バングラデシュと、日本からは本紙の計15人のアジア系メディアが出席した。

アジア系コミュニティーへの支援を強調するメニン市議会議長(photo: John McCarten / NYC Council Media Unit)

会の冒頭でメニン議長は、「ニューヨーク市およびその周辺地域の多様なアジア系コミュニティーに、信頼できる情報やリソースを提供してくれる献身的なジャーナリストの皆さんと、本日の会議を主催できたことを誇りに思う」と挨拶。「公共の安全から教育に至るまで、市議会は今後もアジア系ニューヨーカーの声に耳を傾け、彼らを支援するための政策や投資を推進していく」 と述べた。

文化・社会福祉支援に500万ドル

メニン議長は、ニューヨーク市をより安全で住みやすい街にし、中小企業を支援し、教育の機会を拡大し、住宅危機に立ち向かうために市議会が講じた措置について説明。また、出席した市議会議員らは、2027会計年度予算におけるニューヨーク市のアジア系コミュニティーへの投資についても強調した。

7月1日から施行した市の2027会計年度予算は総額1258億ドルで、アジア系コミュニティーへの投資は全体予算の中から数百万ドルから数千万ドル規模の複数の枠に分けて割り当てられている。これには、AAPI(アジアン・アメリカン・パシフィック・アイランダー)コミュニティーへの文化・社会福祉・高齢者・ユース支援への約500万ドル、アジア系アメリカ人教育プロジェクトへの約200万ドル、ニューヨーク市立大学(CUNY)のアジアおよびアジア系アメリカ人研究所への約100万ドル、さらにAAPIコミュニティー向け移民・法律サービスへの200万ドル以上が含まれている。

憎悪犯罪と語学支援に120万ドル

メディアからは、スモールビジネス支援に対する施策の他、新型コロナウイルスのパンデミックで急増し現在は減少傾向にあるが、依然として根強いアジア系に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)への対策について質問があった。メニン議長は、ヘイトクライム防止イニシアチブと言語サービスに120万ドル以上を割り当て地域密着型の取り組みを支援し、市内5区の多様な地域で活動する団体連合が連携して対応すると述べた。

ニューヨーク州の2027年度予算では、州内のAAPI支援組織向けに3000万ドルの「AAPIエクイティ予算」が計上されている。

ニューヨーク市内のアジア系コミュニティーの人口の国別内訳は、中国、インド、フィリピン、バングラディシュ、韓国が上位5カ国。日本人は約3万3700人で6位。