トランプ大統領は8月6日、出生による市民権と商業的な「出産ツーリズム」の抑制を目的とした2つの新たな大統領令に署名した。一時滞在者や不法滞在者の間に生まれた子どもに対する自動的な市民権付与を広く廃止しようとした大統領の以前の試みを無効とした、今年6月の最高裁判決を受けたもの。

市民権取得制限の厳格化
1番目の大統領令では、特定の外国政府職員の間に生まれた子ども、「敵性外国人」と分類された個人、外国のテロ組織の構成員および在留資格を取得するために詐欺行為を行った親など、特定のカテゴリーを自動的な市民権取得の対象から除外する。
出産ツーリズムの禁止
2番目の大統領令では、「出産ツーリズム」を行った両親の新生児に対する自動的な市民権の付与を廃止する。「出産ツーリズム」とは、外国人の妊婦が出産のためにアメリカを訪れ、新生児がアメリカの市民権を取得できるようにするもの。
なぜ「出産ツーリズム」が多いのか
アメリカとカナダは、出生地主義に基づき無条件の市民権を付与する唯一の先進国であるため、「出産ツーリズム」の最も人気のある目的地となっている。日本からの「出産ツーリズム」の規模は、中国、ロシア、ナイジェリアといった国々と比べるとごくわずかだが、日本の芸能人や富裕層の間では依然として非常に目立つ傾向となっている。
日本の富裕層が選択する理由は?
日本では通常、成人の二重国籍は認められていないが、日本人の両親の下でアメリカで生まれた子どもは22歳になるまで法的に両方の国籍を保持することができ、22歳になると日本の法律によりどちらか一方を選択することが義務付けられている。これにより、その子どもは両国において、教育やキャリアの面で柔軟な選択肢を得ることができる。
人気はLAやマイアミ、NY、ハワイも
アメリカ国内ではカリフォルニア州ロサンゼルス、フロリダ州マイアミ、ニューヨークが人気。特にハワイは日系コミュニティーのインフラが整っていることや、日本国内と比べてプライバシーを守りやすいことから、日本の芸能人や富裕層の間で人気が高い。
今後の見通しは?
複数の報道によると、1番目の大統領令は、連邦裁判官によって差し止められることがほぼ確実とされている。人権団体は既に訴訟の準備を整えており、政権が行政命令を通じて憲法を書き換えることはできないと主張している。2番目の大統領令は、国境警備官がプロファイリング訴訟※に直面することなく、詐欺的意図を法的に立証したり妊娠中の旅行者を特定したりすることは極めて困難であるため、実際の執行は限定的となる見通し。
※警察官などの法執行官が、人種や肌の色、国籍などの外見を理由に職務質問を行う、「レイシャルプロファイリング」に対して起こされる訴訟。
















