回転寿司チェーン、スシローを手がける外食大手FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)が、ニューヨークに初進出。8月31日に行われた記者会見では、10月にマンハッタン・タイムズスクエアにオープンする新店舗の詳細が明らかとなり、注目を集めていた「価格帯」や限定メニュー、「おまかせ」が食べられる地下フロア、“ノーチップ制度”を掲げるユニークな店舗への期待が高まっている。

10月にオープン予定の「スシロー・タイムズスクエア店」(photo: FOOD & LIFE COMPANIES)

近年は国内だけでなく、海外でも300店舗を達成するなど、「回転寿司」を世界に発信し続ける同社。

今回の新店舗は、回転寿司業態のスシローとしてアメリカ初となるが、実はボストンでは「Sakabayashi(酒林)」という寿司居酒屋を2024年にオープン。手頃な価格で楽しめる大衆寿司居酒屋として人気を集めている。さらにさかのぼること約10年、F&LCの前身であるスシローグローバルホールディングスは、ニューヨークで持ち帰りに特化した専門店「SUSHIRO SEASONAL KITCHEN」も手がけていた。

ボストンの大衆寿司居酒屋「Sakabayashi」(photo: 公式リリース)

今回は、そんなアメリカでの経験や反響も取り入れて実現した店舗。世界の中心ともいえるタイムズスクエアにふさわしい、摩天楼に囲まれた3フロアの店内には、1皿5ドル(約800円)〜のメニューがそろう。タッチパネル「デジロー」でゲームなども楽しみながら食事ができる回転寿司フロアの他、地下にはおまかせコースを堪能できる個室フロアも完備。「おまかせ」が広く浸透するニューヨークらしい工夫も凝らす。

記者会見で振る舞われたテイスティングメニュー

また新店舗では、ニューヨークの飲食店では珍しい「No Tip(ノーチップ)」制度を導入。サーバーや店のサービスに対し、約20〜25%のチップを支払うのがマナーとされるニューヨークで、「シンプルに、心ゆくまで寿司を楽しんでほしい」との思いから、新たな常識となるか注目される。

抹茶のパンナコッタややどら焼きなど、和テイストのデザートメニューも充実

代表取締役社長の山本雅啓さんは、「私たちはグローバルブランドをつくり上げることを目指していますので、現地の方々に、とにかく喜んでいただける、気に入っていただける寿司を開発し、業態を開発する。そういう気持ちで今回の店舗オープンにも挑んでいます。また、タイムズスクエアを選んだ理由としては、ニューヨークの皆さま、アメリカの皆さまだけではなく、いろいろなところから人が来る場所ですので、そこでご支持いただけるかを、しっかり見極めたいと思っております」とコメントした。

8月31日にニューヨークで行われた記者会見に登壇した、(左から)商品企画・開発を管轄する堀江陽さん、代表取締役社長の山本雅啓さん、海外事業・北米事業を担当する田中洋祐さん

また、「その先は、ここでの学びを経て考えていきたいと思っています」と、今回のタイムズスクエアでの仕掛けに対する反応を見ながら、さらなる展開を目指していくという。商品企画・開発を管轄する堀江陽さんは、「ここの店舗から、世界で通用するメニューが生まれることも楽しみなんです」と笑顔を見せる。

公式キャラクターのだっこずしが自由の女神に扮した、オリジナルトート

ちなみに、ニューヨーク限定メニューの詳細は今後順次発表されるが、記者会見で会場から「おいしい」との声が上がっていたのは「サーモンいぶりがっこクリームチーズ」。「口の中が楽しくなっていると、正解です!」と堀江さん。多種多様な味覚が集まるタイムズスクエアとスシローの化学反応にも期待が膨らむ。

タイムズスクエア店限定で販売される「サーモンいぶりがっこクリームチーズ」

 正式なオープン日など、店舗の詳細は追って発表される。

取材・文・写真/ナガタミユ