日本の“流行スイーツ”を語る上で欠かせない存在となった、生ドーナツ専門店、I’m donut ?。トレンドの移り変わりが早いスイーツ業界においても人気は衰えず、国内での出店を加速させている。海外1号店のアメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアに旗艦店をオープンしてから1年が経過した。

「日本のドーナツ店がニューヨークに上陸する」と大きな注目を集め、華々しいスタートを切ってから1年が経った今、どのような変化があったのか。また、現地ニューヨーカーや世界中から訪れる人々に「nama-donut(生ドーナツ)」はどのように受け入れられているのか。ニューヨークチームに話を聞いた。
■ 海外への挑戦「まさに学びの連続」
外はカリッと、中はふんわりしゅわっと口の中でとろける、唯一無二の食感で人気を集める I’m donut ?。2022年に東京・中目黒に1号店をオープンすると、“生”スイーツブームを巻き起こすほどの人気となり、現在は国内14店舗を展開(グリテンフリー&ヴィーガン店含む)。海外はニューヨークの旗艦店をはじめ、台湾、韓国、インドネシア、マレーシア(2026年オープン予定)にも店舗を構えている。

「あっという間に過ぎ去ったようでもあり、まだ1年しか経っていないのかという気持ちもあり、不思議な感覚ですが、振り返れば本当に濃密な時間でした」。タイムズスクエア店のオープンを振り返って、チームはこう語る。

「この1年は想像をはるかに超えることの連続で、ポジティブな出来事はもちろん、チャレンジングな課題もたくさんあり、まさに学びの連続でした。ですが何より、お客様から私たちのドーナツを『おいしい』と言ってくださる声をたくさんいただくことができ、結果として非常に喜びに満ちた1年になりました」
■ 現地ニューヨーカーの反応は?
オープン直後は数週間にわたって長蛇の列が途切れず、「なかなか買えないドーナツ」とまで言われていたI’m donut ?。現在は購入しやすくなったものの、開店前には今でも店の前に列ができ、同店のドーナツを心待ちにする人々の熱気は変わらない。

オープン当時、ニューヨークを訪れていたオーナーシェフの平子良太さんは、「『生』をどう表現するかには悩みましたが、TeriyakiやOmakaseのように日本語のまま世界で通じる言葉も増えてきているので、『生』をそのまま伝えていこうという結論に至りました。生ドーナツを広め、この食感に驚いてもらえたらうれしいですね」と話していた。
では、その「生ドーナツ」は実際にどのように受け入れられているのか?
「ドーナツの本場であるアメリカ、それもニューヨークで『I’m donut ?』や『nama-donut』がどのように受け入れられるのかという点は、チャレンジになると思っていましたが、店舗でのお客様とのやり取りや現地メディアの反応を見ても、『nama-donut』という言葉に対して難しさは感じられないという印象です。もっとツッコミがあるかと思っていました」

「また、タイムズスクエアという立地なので、ニューヨーカーだけでなく、世界中から訪れる人たちがどんな反応を示すのかということも気になっていました。実際には、想像以上に非常に良い反応をいただいています」

ガツンとした甘さの昔ながらのドーナツや、クロワッサンとドーナツを掛け合わせたサクサク食感のクロナッツが定番人気のニューヨーク。
そんな中、I’m donut ? は繊細な口当たりと、おもたせにも使える上品なビジュアルで“ジャパニーズクオリティー”を印象付け、徐々に「nama-donut」という言葉とともに、その存在が広まり始めている。
■ 「ニューヨークに遊びに行くなら…」
日本の企業や飲食店がニューヨークへ進出する際、興味深いのは、その商品やブランドが持つカルチャーがどのように受け入れられ、根付いていくかという過程だ。
日本では「生ドーナツ」という言葉は広く浸透し、旅行先に店舗があれば旅程に組み込む人もいるほどの人気となっており、ニューヨークでも、そんな存在を目指したいという。

「一つの観光スポットというか、『ニューヨークに遊びに行くならI’m donut ?に行かなきゃ』というポジションをぜひ獲得したいと思っています。ドーナツの本場であるアメリカ・ニューヨークで、日本の素材を使った日本のドーナツで勝負していることには、とても大きな意味があります。また、そんなお店の盛り上がりがニュースとして日本へ届き、日本の皆さんに勇気を与えられていることも、本当に意義深いことだと感じています」

「そしてこれからも、ニューヨークでしかできないことに、いろいろ挑戦していきたいと思っています。その挑戦をお客様に楽しんでいただき、『何度も来たい』と思っていただけるお店につながればうれしいです。今後とも応援のほど、よろしくお願いいたします」
日本を代表する一つのブランドとして2年目を迎えた、I’m donut ? times square は、さらなる挑戦を続ける。
取材・文・写真(一部)/ナガタミユ

















