京都にある、オムライスと“店主”が名物の「ザ・洋食屋・キチキチ」。陽気なシェフがカウンター越しに繰り広げる「オムライス・パフォーマンス」で数年前からSNSでバズり続ける同店が、ついにニューヨークに上陸。名物店主・幸村元吉さんへのインタビューと合わせて、ポップアップで3日間、大盛況に包まれた現場をレポートする。

「僕はオムレツ界のミッキーマウス」
ケチャップライスに載った美しい卵を、お客さんの前でパカっと入刀する「たんぽぽオムライス」でSNS界に衝撃を走らせた幸村さん。多いもので再生回数700万超え、素早い手つきと縦横に繰り出されるポップな英単語、そしてもはや“アート”とも言えるオムライスは、日本だけでなく、海外からもわざわざ駆けつけるファンがいるほど。

もちろん予約も、超絶困難で毎回争奪戦。1日当たり10人×4回の限られた席数に、「毎日1000人くらいが入りたいと言ってくれるんです。今回のアメリカでのポップアップもニューヨーク、ロサンゼルス、マイアミの3都市ですが、予約開始とともに2時間で全ての回がソールドアウト。今も寝る暇がなく『予約どうにかならないの?』といった問い合わせの対応に追われていますよ」と幸村さん。

SNS動画の効果で海外のお客さんが増え始め、同店の45周年を機に、海外でのポップアップにも本腰を入れ始めた幸村さん。これまでメキシコ、オーストラリア、ジャカルタ、クエート、バンコク、台湾、インドネシア、シンガポール、マカオ、上海とさまざまな国を回ってきたが、「まだまだ行きますよ」と意気軒昂だ。

ちなみに同店のシェフは幸村さんのみで、弟子も取っていないため、どの国に行っても彼が来店者全員分のオムライスを手がける。「ちょっとかっこいい言い方をしたら、僕はオムレツ界のミッキーマウスなんです。現れるところは一つしかない、ってね」
「京都で予約取れず、リベンジに来店」
いざイベントが始まると、ライブスタイルで調理風景を見られるため、客はみなスマホ片手にパフォーマンスに夢中に。そして最後、目の前であの「パカ〜ン」を体験した客は皆、幸せそうな笑みを浮かべながら席に戻り、オムライスを頬張る。

「以前京都に行ったけれど、その時に予約が取れなかったためリベンジに」と、来店した4人家族。「息子が料理の動画を見るのが好きで、たまたまこのシェフを見つけて。それからというもの、四六時中このオムライスの話をしているので、今日は来ることができてとてもうれしい。息子もオムライスをとても気に入ったようです」と非常に満足した様子。

時折、周囲から歓声が上がる幸村さんのパフォーマンス、そしてオムライスだが、幸村さんには強いテーマがある。
「例えばパフォーマンスの店(アメリカの鉄板焼き)に行ったときに、『あの人の鉄板焼き』って言われないとダメなんです。お店もそうです。どこどこのお店がおいしいってみんな言うんですが、実は“誰が作ったか”がポイントなんです。今は裾野が広がって、単に『オムライス』が食べたいという風になってきている。店でも外でも、僕の顔を見ても気付かないこともあるけど、ファンであればそうじゃないですよね。僕を見つけに来てくれる、そこを目指しています」

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アメリカでのツアーを終え日本に帰国すると、京都のファンはもちろん、その先にスペイン、ドイツ、イタリア、マカオ、シンガポール、台湾・・・と世界各国のファンが幸村さんのオムライスを待ち焦がれている。アメリカにはまた今年の暮れに戻ってくるかも?とのことなので、気になる人は続報をチェック。
「一人でも多くの方に、オムライスを作る喜び、そして食べる喜びを感じてもらい、またオムライスによってその場に『わぁ、すごい』と歓喜の渦が起こることで、幸せに結び付けられたら。そんな風に、これからもみんなの笑顔を見たいですね」

ちなみに、幸村さんのオムライスパフォーマンスはまだ進化していて「アイ・エヌ・ジー(ing)です」とのこと。パワフルな料理という表現で多くの人の心をわしづかみにしていく幸村さん、今後の活躍から目が離せない。
取材・文・一部写真/ナガタミユ
















