非営利団体 Citizen’s Budget Commission(CBC)は、ニューヨーク州による過去18年間の教育への財政支出増加が生徒の学力増進に効果を上げていないとする分析を発表した。シティージャーナルが27日、伝えた。

CBCによれば、全米学力調査(NAEP)でニューヨーク州の4年生は読解が32位、算数が46位。8年生もそれぞれ9位と22位だった。州が生徒1人当たりに使う補助金等は3万6293ドル。2020〜21年度に対し21%も増えている。CBCは「州内の各学区域が使う費用は890億ドル。そのうち390億ドルが州からの財政補助というのは残念な結果」と指摘している。
州内の公立教育の劣化は就学者数にも表れている。幼稚園(K)〜12年生までの就学者は過去10年で32万人以上も減少。K〜8年生では17%も減少している。チャータースクールの生徒が9万人増で一部を吸収しているが、州外への転出が進んでいることは明らか。州政府は私立学校を選択する家庭への補助を拒んでおり、その結果、カトリック系学校の就学者は3分の1も減っている。
人種別では、白人が23%、黒人が32%それぞれ減少。その他は増加しており、特にアジア系が黒人の生徒数を上回る勢いだ。州の教育関係者は、市内のエリート公立校でアジア系の生徒が多く人種の不均衡が生じているなど、不毛な議論を展開。さらに、チャータースクールが州からの補助金は少ないものの効果を上げているという事実を無視し、市内のチャータースクール数に上限を設けている。チャータースクールの生徒の46%が黒人、43%がヒスパニック系であるにもかかわらずだ。
効果を無視した財政支出の増加は意味がない。CBCも「金額を増やすことより、どうしたら効果が上がるかを議論すべきだ」と提言している。全ての家庭に補助金を与え、行きたい学校に行けるようにするなど、大胆な教育改革が必要だ。
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